
~プロフォトグラファー 池田ひろゆきさん~
今回も真庭市在住のプロフォトグラファーの池田さんに写真を提供してもらいました。
旧美作国の初夏は、しっとりとした空気に包まれ、雨に濡れた紫陽花が山あいの道を彩ります。梅雨の合間に響く蛙の声、夕暮れには地域ごとの夏越の祭り。藁縄の茅の輪をくぐり、無病息災を願う人々の素朴な笑顔が、静かな田舎の風景と溶け合います。そんな季節の移ろいが、心にやさしく染み込んでいきます。
熊野神社「夏越祭」
山あいの神社で行われる夏越祭。茅の輪が境内に立てられ、村人たちは静かにくぐり抜けながら、半年の穢れを祓い清めます。夕暮れには紙灯籠に火が灯り、子どもたちの笑い声と鈴の音が響く中、素朴な祭りが静かに深まっていきます。旧美作国に息づく、変わらぬ祈りのかたちです。