アットタウンWEBマガジン

HIROYUKI's PHOTO EXHIBITION 陽炎と涼風のあいだで



 -岡山県北、季節のめぐりに寄せて-

~プロフォトグラファー 池田ひろゆきさん~


今回も真庭市在住のプロフォトグラファーの池田さんに写真を提供してもらいました。

季節は、夏の余韻と初秋の兆しが交錯する頃。照りつける陽射しの中にも、ふと吹く風に秋の気配が宿りはじめる。岡山県北の里山では、そんな季節のはざまに、静かな美しさが広がっていました。











川東公園
秋彼岸が近づくと、川東公園の一角がまばゆいほどの赤に染まります。咲きそろった彼岸花――リコリス・ラジアータが、まるで火の波のように地表を埋め尽くし、訪れる人の足を思わず止めさせます。







蒜山蕎麦畑
蒜山高原に広がる蕎麦畑は、まさに風の通り道。涼やかな空気が草の香りを運び、目の前にはどこまでも続く白い蕎麦の花。標高の高いこの地では、陽射しもどこか柔らかで、眩しさと清涼感が同居しています。鳥のさえずりと虫の音が調和する中、そっと風が花を揺らすたびに、自然の呼吸が聞こえてくるようでした。忙しい日常をひととき忘れさせてくれる、そんな風景がここにはあります。






重陽の節句
五節句のひとつ「重陽の節句」は、九月九日にあたる長寿と厄除けを願う日。岡山県北では、菊花を飾り、菊酒をいただく静かな風習が今も息づいています。夏の暑さがようやく落ち着きはじめるこの時期、咲き始めた菊の花に目を留めると、どこか心もほぐれるよう。自然のリズムと寄り添いながら、先人たちは季節を尊び、節目を大切にしてきた――そんな日本の美意識が、静かに感じられる日でもあります。

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