動物愛護ボランティア団体 ｉ＆ｇｏ（アイアンドゴー） 近藤さん
津山市で2020年から活動する動物愛護団体がある。「10匹以上の野良猫が集まり、臭いなどの問題でご近所トラブルになる」そんな話を聞いたことがると思う。原因は安易な餌やりの場合が多いという。これによりご近所との人眼関係を崩す重大な問題となった事例もある。また最近は、マダニが媒介するＳＦＴＳが大きな問題となっている。
人間にとっても猫にとっても、不幸なことだ。そんなペット問題の解決を目指し活動しているのが、今回取材した動物愛護ボランティア団体『ｉ＆ｇｏ（アイアンドゴー）』だ。
今回は、代表の近藤さんに話を聞いた。
「動物のために力になりたい」という思いで結成されたボランティア団体という事だが、現在は「野良猫を増やさない」事を活動の中心としている。
特に、『にじのはしモバイルスペイクリニック津山診療所』を毎月開催し、野良猫の不妊去勢手術を実施するなどの活動は、知っている人も多いのではないだろうか。
これは、野良猫の過剰繁殖を抑制することを目的とした、不妊去勢手術の専門病院となっており、ワゴン車を活用した移動式手術室で、獣医師の先生に地域へ出向いてもらい、手軽に、安価に、大量に手術を行っている。
これについては、「あくまで不妊去勢手術を専門に開所していますので、一般の動物病院のように、体調不良等の診察や治療は行っていません。不妊去勢手術ではない目的での受診は、一般の動物病院へ行っていただきますようお願いします」ということなので、気を付けてもらいたい。捕獲した野良猫の手術を希望する場合は、にじのはしスペイクリニック津山診療所の公式ＬＩＮＥから予約をして欲しいとのことだ。
また、他の活動として、保護猫の譲渡会を必要に応じて開催しているが、ｉ＆ｇｏとしてはシェルターを持っていないこともあり、、基本的には、動物の引き取りも行っていない。
しかし、やむにやまれぬ状況で保護動物の里親探しを行うこともあるという。そう言った場合のみに開催するるという。
譲渡会は、家族を必要としている保護動物と、終生責任をもってペットを迎えたいという人間の出会いの場をつくる営み。
動物に悲しい思いをしてほしくないという思いから、譲渡には脱走防止対策や不妊去勢手術の実施等の条件があったり、保護主が動物のために肩代わりしていた初期医療費等を譲渡費としてお支払いいただいたりするルールを設けている。
これに対し、厳しいという印象をもつ方もいるようだが、譲渡は、その動物の一生を左右するため、何が最もいいのかを真剣に考え、必ず動物が幸せになってほしいという思いを込めて、譲渡活動を行う。問い合わせの中には、「外に子猫がいるから連れて帰ってほしい」「ペットを飼えなくなったから引き取ってほしい」というものもあるが、誰かに丸投げをするような依頼は受け付けていないという。依頼者が責任をもって、主体的に行動する意思がある場合のみサポートすることもあるそうだ。
地域に住む飼い主のいない動物と、人との間に生じる諸問題を「地域の課題として取り組むことを、動物愛護のひとつの形として捉え、特定の人だけが活動を行うだけでは、問題解決ができず、逆に地域の分断を招く。そんな状況にならぬよう、地域の方が自らの問題として動けるようサポートを行っている。その一環として野良猫を捕獲するための捕獲器の貸し出しや、参加費を負担していただいての譲渡会の参加などは受け付けている。
電話や、ＩｎｓｔａｇｒａｍのＤＭでご相談ください」とのことだ。
さらには、学校に出向いて、『いのちの授業』として、動物愛護についても啓発活動を行ったりもしている。
『ご近所猫ネット』として、地域で野良猫の管理を行う人を、行政に申請・登録し、責任をもって野良猫の世話をするシステムの申請受け付けをするなどの活動にも取り組んでいる。
これらは全て、野良猫の増加を抑制して不幸な動物をなくすための活動だ。
「ただ野良猫にエサをやるだけでは、過剰繁殖を誘発したり、糞尿による近隣トラブルに発展したりと、猫にとっても人間にとっても不利益が生じます。そのため、住民の方が自分の地域の野良猫の不妊去勢手術を行い、ご近所猫ネット等を通じて責任をもってお世話をしていくことが必要です。お世話とは単に餌をやるだけでなく、糞尿の処理をしたり、頭数を確認し野良猫たちを見守ったりすることも含まれています」という。
この活動は、動物たちのためであると同時に、「住民ひとりひとりが行動できるようになるため」のものだという。
「特定の人が100匹の動物を助けるのではなく、100人の人が１匹ずつでも動物を助けられるようになってほしい」それこそが動物とともに生きる成熟した地域をつくり、全てのいのちに優しい社会をつくることに繋がっていくとの考え方からだ。
今後についても、今、行っている活動を念頭に「これからもできることを、続けていきたいと思います」ということだ。
ｉ＆ｇｏには、人と動物が、良い関係を築ける地域社会のために、活躍を続けて欲しいものである。
動物愛護団体ｉ＆ｇｏ
Instagram：@igo_animal
tel 090-3697-2121
