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研究を重ね、さらに

チャレンジする國本敏雄さん(日本工芸会正会員)

4月18日から感謝記念展を開催

多彩な作品を制作する國本敏雄さん(真庭市草加部)はこの道65年。
その集大成として4月18日から21日まで、津山市新魚町のアルネ津山4階の津山市地域交流センターアートギャラリーで「木彩の世界 國本敏雄木工芸感謝記念展」を開く。
お盆をはじめ、漆塗りの箱、桑の銘木を使った作品、神代杉を使った「神代木彩重箱」など貴重な作品を見る事ができる。

神代杉木彩作品は材料となる杉が数百年間土中に埋もれていたために細かな杢目や微妙な色合いをかもし出しており國本さんの技術により複雑な幾何学模様を作っているもので、縁には黒柿によりアクセントをつけているとともに作品の強度を保つための配慮といえる。
まさにたぐいまれな技術と美的感覚の生み出したもの。ぜひこの機会に鑑賞してみたい。




数々の受賞の中で英気をもらう

制作するもののデザインは毎日、頭の中で考え続けていると言い、常に「木」と向き合ってきた「匠」は木目の美しさを余すことなく伝えるために日々努力を重ねている。

数々の受賞歴があるがなかでも平成7年に国指定「現代の名工」を、同11年には旧久世町初の「無形文化財 木工芸保持者」を認定され、同12年には黄綬褒章を受けた。
同18年に岡山県指定 重要無形文化財木工芸保持者に認定、山陽新聞賞(文化功労)を受賞、日本工芸会中国支部展にて金重陶陽賞を受賞した。
「国から認めていただいたことに大きな喜びを感じた、受賞させていただき、また頑張ろうという英気をもらった」と言う「匠」は穏やかな笑顔で「日本伝統工芸展で通算20回入選している」と話した。



地域に書額や彫刻欄間を奉納寄贈する

國本さんの書額は、地元真庭市の木山神社をはじめとする神社仏閣に奉納され、真庭市本庁舎には彫刻欄間を寄贈。
工房すぐそばの市立草加部小学校には書額も寄贈しており、地元の人たちからの敬愛も深い。

「人間性が第一、作品は第二」とする國本さん主宰の「美作木工芸教室」では今、5人の生徒を持つ。
技術を磨くこともさることながら、人間性に重きを置く指導をしており教室生たちも「先生の話を聞くと、がんにならない」「パワーをもらえる」「教室は月に2回だが、先生の話を聞き漏らすまいと一生懸命に聞いている、それを自分の作品として作り上げたい」と國本さんの技や心意気を習得しようと熱心に通っている。



益々の活躍を願っています

今後、新しい技法も研究して1点でも多く後世に作品を残したいと國本さんの気持ちは50歳。益々のご活躍を願ってやまない。
そして、そっと國本さんに寄り添ってきた妻の浪子さんに「感謝している。家内なしでは作品はできなかったと思う」としみじみとおっしゃる。
どうぞ仲睦まじく、趣味の刀剣や、庭木、錦鯉、備前焼などを楽しんでくださいね。

         (取材ライティング・武本明波)

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