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素直可愛くてかっこいい 保田扶佐子さん 

7月31日から8月6日まで岡山高島屋で絵画展。

保田さんは1981年よりスペイン、バルセロナ在住。と言っても近年、夏は津山で、冬はバルセロナで過ごしている。2009年に自宅の納屋を改修して設立した「保田扶佐子美術館」の管理もある。ご自身はオーナーであり、館長は津山市内に住む友人に任せているが、保田さんの本拠地が津山にシフトしている感がある。同美術館は9月にできたことから、毎年9月に特別展を開いているのも一つの要因かも知れない。

保田さんは7月31日から8月6日まで、岡山市北区本町6|40の岡山高島屋7階美術画廊で「保田扶佐子絵画展」を行う。岡山高島屋での個展は17回目で、ファンには待ちに待った絵画展になりそうだ。それに先立ち、津山市押入にある保田扶佐子美術館に行き、お話を聞いた。





抽象画家・保田扶佐子さんは話しやすい方。一流画家と高名な人なので緊張したが、すぐに笑いながら話せる雰囲気になった。

保田さんは、絵画を始めたころは、具象でデッサンやクロッキーから始め、極めようと研鑽を積んだ、30歳代の時に「西洋を見てこなくては」と旅をしたという。美術にふれ研究を重ねた旅だった。
マドリッドでは美術学校にも通ったという。
帰国し最初の個展は36歳の時。銀座での展示会は出品した作品全作完売したが、心に残るひとことがあった。

「まじめに、そのままを描いた自画像などではあなたとお付き合いすることはできません」そう言った画廊のオーナーは木の葉をアレンジしたような樹木を現した作品を気に入ってくれ、樹木シリーズを書き続けたが・・・




ある日、「嫌になった」という。面白いたとえをしてくれた保田さん「恋をした時、あんなに好きだったのに、まるで憑き物が落ちたかのように興味がなくなる。
そのような感覚。
行き詰ったのでもなく色褪せたのでもなく、具象絵画に対して関心がなくなり、一切かかわりたくないと思った」。
その後、絵をやめるかと悶々とした日々だったと振り返る。



「私は説明が嫌いなので、自分の方向を抽象画に向けた」と言いきる。
「抽象画の表し方の模索もしてきました。直線、曲線、半円、幾何学的な丸い形など、でも自由自在になりたいという気持ちが強かったので、ぐじゃぐじゃ落書き・・・そういう表現になりました」保田さんの言葉は、キレが良く自信に満ちている。
「造形性の追求は常にしています、造形性のないものは、理論や概念を押し付けてくるように思います、私は語りたくありません。直感的にわかるのがいいです」。
すごくかっこいいと感じた。



でも、保田さん、ちょっとリラックスしたいのかもしれない。
「スペイン語教室をして、楽しく和気あいあいと時間を過ごしたい」若い方から高齢の方まで小ぢんまりとすぐに役に立つ教室になればと生徒を募集しているので、興味のある方は飛びこんでみよう。


また同美術館の10周年記念展を9月14日から29日まで行う予定「ミロの銅版画やバルセロナの有名作家たちの作品を並べようと思っていますので、大勢の方のご来場をお待ちしています」。
すてきな笑顔でおしゃれ、なんといっても素直可愛い保田さんに作品もお人柄も惹かれてしまった午後だった。


*岡山高島屋での保田扶佐子絵画展詳細は今号掲載のアットタウンイベント情報を見てほしい。

(取材ライティング・武本明波)

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