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最古の鍾乳洞 備中鐘乳穴

千二百年の昔すでに世に知られていた日本最古の歴史とロマンを秘めた「備中鐘乳穴」(びっちゅうかなちあな)は平安時代となる901年に書かれた「日本三大実録」にもその名が記述されるなど、文献に残る日本最古の鍾乳洞として知られています。
中国自動車道(北房I.C)から6km車で10分、岡山自動車道(有漢I.C)から7km車で15分。標高300m
駐車場から杉林の谷間を下ること100m、全長約800m。現在はそのうち約300mが観光洞として公開されています。



入洞料は 大人¥700 中学生¥500 小学生¥350を支払って白亜の殿堂と言われる大鍾乳洞を進んでいけば徐々に狭い洞窟へと、大自然が創り上げた神秘的な眺めを堪能。
洞内の気温は一年中9度で夏は実に涼しく冬は暖かく、観光用カラー照明設備、遊歩道などが整備され、観光しやすく洞内を整備してあります。
この洞窟は西遊記、日本風景論で紹介され岡山県の天然記念物にも指定され、6月下旬から7月上旬にかけてはヒメホタルの乱舞を見ることもできます。
6月の最終と7月の最初の土日に夜間特別営業をしています。

 

洞内は「夢の宮殿」の大広間を始め日本一と言われる高さ3m直径5mの大石筍「洞内富士」22階層からなる「五重の塔」などの鍾乳石、石筍カーテンが無数に発達し、その規模や壮大な眺めは全国に類のない貴重なものです。
最深部には「吉備津彦評定の間」と呼ばれる大きな空間があり、温羅との戦いで吉備津彦命が作戦を練った場所とも言われており、古代の歴史ロマンを味わうことができます。
 
また、歴史においては平安時代朝廷御用の「カルシューム」薬源として徴されていることは「日本三代実録」「文徳実録」などの古文献に記載されています。
正倉院に保管されている古代石薬の鍾乳床(しょうにゅうしょう)も、炭酸カルシュウムを主成分とする鍾乳石の破片です。
口の渇きを止める止渇薬(しかつやく)としてや、利尿薬などに使われていました。

備中鍾乳穴で見られるヒメボタルは、水辺に生きるゲンジボタルより小さい陸生のホタルです。
体長は7ミリ前後でオスは飛びながらメスを求め、メスは羽が退化しているため飛ぶことができず、地表近くから居場所を知らせます。
備中鐘乳穴は全国でも有数のヒメボタル生息地としても有名です。
辺りが暗くなる午後7時過ぎ頃から光を放ち始め求愛の明滅は、まるで地面や夜空に輝く宝石のようです。
ヒメボタルは音や人工の光が苦手なため、静かに懐中電灯などの光は消して鑑賞しましょう。
また、防虫スプレーをして行かれる人もいますが、防虫スプレーはヒメボタルにもストレスを与えますので使わないでください。
駐車場は備中鍾乳穴(びっちゅうかなちあな)の青い看板のところにあります。
駐車場料金300円が必要で駐車場では、杖の貸し出しがありまので、体力に自信のない方は、利用される方が良いと思います。
駐車場の入口から備中鐘乳穴を見学して、駐車場まで帰って来るのに1時間弱程度と途中で休憩が必要なほどは、時間がかかりませんので気楽に入洞することができます。
 
近隣スポット“井戸鍾乳穴神社”
備中鍾乳穴から東に1㌔ほどの場所にある備中鍾乳穴をご神体とする井戸鍾乳穴神社があります。
歴史も古く、式内社で井戸鍾乳穴神社との記載があります。
元々は、備中鍾乳穴にお祀りされていたと言われており、今でも、奥宮が、鍾乳洞の内部に祀っています。
近世には岩山大明神と呼ばれていましたが、明治のはじめ頃に式内の名に戻したようです。
近くにも鍾乳洞を祀る「日咩坂鐘乳穴神社」があります。
この付近は、カルスト台地になっているので、多くの鍾乳洞があり、そのうちのいくつかは観光用に整備されています。
主祭神は、日咩坂鐘乳穴神社と同じ大名持命(大国主命の別名)となっています。
備後一宮 吉備津神社の摂社、吉備津彦12柱を祀る十二神社の鳥居に大名持命の扁額があるのと、備中鍾乳穴の最深部に「吉備津彦評定の間」があることが、意味があるように感じます。
 
この辺りは近くにも、備中鐘乳穴の他に岩屋の穴(総延長600mの鍾乳洞)、上野呂カルストがあるなど、多くの鍾乳洞が点在しています。

所在地
岡山県真庭市上水田8854-1
TEL/FAX 0866-52-2962(FAX同じ)
営業時間
10:00~17:00(11月~3月は16:00)
休み
不定休(1月,2月は土日祝祭日のみ営業)
駐車場
160台(無料)

(一社)真庭観光局
〒717-0013 岡山県真庭市勝山654
TEL 0867-45-7111 FAX 0867-45-7112

(ライティング:星護 禄胤)

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