今日は、一年のちょうど半分「夏越大祭」の日です。
この夏に、夏バテや病気にならないようにお祈りする日です。もう「茅の輪」をくぐりに神社に行かれましたか?
「我、蘇民将来子孫なり!」
ところで皆さんは茅の輪くぐりの由来って知っていますか?
実は出雲神話で有名な、疫病神の素戔嗚の尊が、出雲より南海(鞆の浦)まで遠征する時のお話しが備後風土記という文章に残っており、そのお話しが元になっています。
出雲を出発した素戔嗚の尊は、芦田の郡の荏隈の国(新市町)まで差し掛かったところで日が暮れます。
そこで宿を求めたのですが、最初に頼んだのが裕福な弟「巨旦将来」しかし、巨旦将来は断ってしまいます。
そこで、困った素戔嗚の尊は貧しい兄、蘇民将来に泊めてもらえるように頼みました。
蘇民将来は、困っている素戔嗚尊を見て喜んでもてなしました。
そして、南海を目指し再び旅に出ます。
南海からの帰りに再び荏隈の国に立ち寄った素戔嗚は辺りの人を、八つ裂きにし皆殺しにしてしまいました。
その後、当日いなかった蘇民将来の娘が帰ってきます。
そして素戔嗚の尊は娘に「蘇民将来」の子孫である証に「茅の輪を目印に腰に付ければ、以降、末代まで八つ裂きになることはないであろう。」と言い残し立ち去ります。
今では、その時の茅の輪が大きくなり、くぐるようになりました。
これが、茅の輪くぐりの由来です。
ちなみに、この時に八つ裂きにされた巨旦将来は、金神として素戔嗚に次ぐ力の疫病神となり、金光教の祭神となっています。
また、巨旦将来の屋敷跡はスサノオ神社として、祇園信仰の総本宮となっています。
茅の輪くぐりは、蘇民将来と関係ない人も「私は蘇民将来の子孫ですよ~」とみんなで嘘をつくお祭りです!
(禄胤)