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鏡作神とは?

2019年07月06日

津山にある美作国一宮は、言わずと知れた中山神社。

皆さんの中でも知らない人はいないと思います。


では、中山神社は何を祀っているか、ご存知な方はいらっしゃいますか?

祭神になるとご存知の方は、すこし少なくなると思います。

中山神社の祭神は鏡作神(かがみつくりのかみ)になります。


おもしろいことに、鏡作神は古事記、日本書紀はおろか、どこの風土記にも出てこない謎の神様なのです。

日本書紀の中には鏡作部と言った記述は出てきますが、神とは明らかに異なります。

では?

そこでこの、鏡作神について考えてみましょう。


皆さんは『裏返し』という言葉を知っていますよね。

そう、ひっくり返ることです。

では、裏返しの語源って知っていますか?


実は、裏返しは温羅(うら)返しなのです。

鏡に写せは、写るものは逆にひっくり返って見えますよね。

察しの良い方は、もう気づかれたかと思います。

桃太郎物語の鬼のモデルとされてる温羅は鏡作りの高い技術を持っていたのです。

吉備中山から勧請されたと書き残っている中山神社で、祀ってある神は温羅だという説が信ぴょう性を帯びてきます。


因みに、備前、備後の吉備津彦神社、吉備津神社は東を向いています。

これは、太陽信仰もありますが大和政権に関する神を祀った神社の多くは大和の方角を向いているのです。

しかし、備中の吉備津神社、美作の中山神社はお互いに南北を向いているのです。

昔から、一部では備中の吉備津神社は温羅を祀っていると言い伝えられています。

鳴釜神事も温羅に関する神事ですよね。

中山神社と備中吉備津神社の間には、血吸川であったり様々な伝説が残っている。


こう考えると中山神社『温羅』祭神説は筋が通ります。


因みに裏切りの語源も温羅だそうです。

温羅方の有力者が吉備津彦に味方し、温羅を闇討ちに切り殺したことで吉備津彦が勝利したことから、信義を無視して敵に味方することを裏切りと言うようになったようです。

(禄胤)

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