疲れたと言(ご)ちつつ今日も書斎へと夫の遺愛のソファーに横たふ河野 澄江●「疲れたと言(ご)ちつつ」...
愛用の剪定ばさみまた失くすこんな所にうっすら錆びて神崎 民枝●作者は草花を育てることが殊の外好きで、...
盛り過ぎし真紅の薔薇の妖艶さ 水無月半ばの風 散らしゆく川上 悠子●短歌は基本的には一人称で詠まれる...
道産子のスズランの花忘れずに 春盛りなり白花(びゃっか)競演信清 博史●北海道産のものを「道産子」と...
芽のうごく庭木の梢ひかりゐつ 昨夜(よべ)の春雨たっぷり吸ひて河野 澄恵●素晴らしい印象派の絵画を見...
西、東、戦火の報聞くいたましさあの黒煙の下にひとびと橋本 眞佐子●万葉集はその大半が愛する人を想う相...
一日の終わりを告げる夕焼けを 追いかけるごと冴ゆる三日月福島 明子●この詠草を手許に頂いた頃は、立春...
微笑みてただ立ちつくし夢にいる 何をか告げん初恋の君初岡 勢津子●この歌が該当しているかは定かではな...
フジバカマよアサギマダラを呼んでくれ 今年も我が庭素通りなのか信清 小夜●フジバカマは秋の七草として...
@歌壇地下芝居に大見得を切る田ちゃんの 弁慶役のゲジゲジ眉毛川上 悠子●地下(ぢげ)芝居と言えば、各...
@歌壇短歌への誘ひあしひきの山のしづくと滴るを 朝(あした)の露で錦と変へる千葉 二朗●有名な大津(...
@歌壇長月の終わりも近く夕暮れて 風無き残暑風鈴しずか山本 見佐子●この一首を頂いた時、なんと流れの...