伝統文化の中でも、お茶、お花、お香、能、和歌などとは全く違う、庶民文化である伝統風俗について、考えたことはありますか?
岡山県でも、風流踊りとして『大宮踊』と『白石踊り』がユネスコ無形文化遺産として、登録されたことで、話題となりました。
この風流踊りも伝統風俗の一つで、これ以外にも様々な形態の伝統風俗が存在します。
この美作地域は、『大宮踊』以外にも、『護法祭ゴーサマ』、『誕生寺二十五菩薩練供養』、『高田神社横野獅子舞』、『勝山喧嘩だんじり』、『横仙歌舞伎』などといった、有名な伝統風俗が存在します。
伝統風俗は庶民文化である為、多くの場合、成り立ちや起源については言い伝えが残るのみで、証明が出来ないため、保護がされにくくなっています。
そのため、原型からどのような変化をし、現在に至っているのか、ということすら推測が難しくなっています。
私達も、日本文化と言えば、まず茶道や能などを思い浮かべる方が多いでしょう。
身近にある、宗教行事から離脱していった、一般庶民の風俗について、文化的な関心を持つ人が少ないのも事実です。
日本は最近の観光立国という流れから、伝統文化を守るという機運が、徐々に高くなってきています。
ユネスコの文化遺産登録も、その流れを後押ししていますが、現実には無形文化財を守る人、後継者の不足は、かなり深刻になっています。
無形文化財の中でも、今でも宗教色が濃いものや、行政の保護対象となっているもを除き、多くの風俗文化については収益性がない、もしくは、あっても著しく低いものが多く、職業として文化の継承を行うことが出来ません。
そのため、継承者の負担の上に文化の継承が成りたっているのです。
地域の人しか知らず、細々と受け継がれてきたような文化財のことを『埋没文化財』といいます。このような埋没文化財にも、指定を受けたり、登録を認められた文化財と同様の価値があると思われるものが、実に多くあります。
しかし、収益性もなく、保護の対象にもなっていない埋没文化財は、そのまま衰退して消滅する可能性が高いのです。
茶道や能、短歌などだけが日本の文化ではない。皆さんの身の回りにも、案外に、気が付いていないだけで、長い伝統のある貴重な無形文化財が、あるかも知れません。
そのような無形文化財を、消滅させないためには、少しでも多くの人に知ってもらうことが重要になります。
アットタウンでは、以前から、伝統風俗を始め、様々な文化活動や、スポーツ活動などの生涯学習について、積極的に記事にして、認知を向上させる活動や、機運を盛り上げる活動に協力しています。
美作地域の皆にこんなものを知って欲しいという希望があれば、気軽にお問合せ下さい。