先日、ホームページで日本折句協会というものを見付けました。
折句については、今まで何度か解説してきたので分かると思いますが、この日本折句協会の折句は、31音や17音に拘らず、お題に対して折句を作るというもの。
折句というよりも折詩というほうが正しいのかも知れません。
こんな書き出しにしたのは、この日本折句協会に入会を勧めているわけではなく、短歌で折句にチャレンジする前に、まずは自由律の折句をチャレンジしてみるのもいいのではないかと思うからです。そして感覚をつかめたその後に、三文字でできる俳句や川柳の折句を作ってみて、それで上手くできるようになると、短歌の折句をチャレンジしてみてはどうでしょう。まずは、冠だけで、そして、最後にはくつかぶり沓冠で折句をつくる、こんな手順を踏んでみてはどうかと提案したかっただけです。
また、全国折り句コンテストなるコンテストもあるそうなので、これで腕を磨くのもいいかもしれないですね。
ここで、おさらいです。
冠折句は、頭の文字を繋いだものです。これに対し、沓折句はお尻の文字を繋いだものになります。冠折句より沓折句のほうが難易度は高くなります。そして最も難易度が高いのが、沓冠の折句です。これは頭の文字とお尻の文字とで、10文字の言葉を作ります。かなり難易度が高いので、頭を柔らかくして挑む必要があります。
沓冠の折句の例として、よくあげられる『栄花物語』の合せ薫物少しを見てください。
逢坂もはては往来の関もゐず
尋ねて訪ひこ来なば帰さじ
あふさかも
はてはゆききの
せきもゐす
たづねてとひこ
きなばかえさし
まだ、文字数が少なく濁点を表記しない『古典仮名遣い』だからこそ容易にできるのでしょうが、現代仮名遣いと現代口語でも、在原業平の『唐衣』ように、折句、序詞、縁語、掛詞などを、全て修辞法を駆使した歌は難しいですが、沓冠の折句は可能です。
歌の良し悪しは、それぞれの受手によって変わります。写実性の高い表現であったり、比喩の美しい表現を良しとするもの、韻を踏むことを良しとするものなど。
歌のリズムである韻律を重要視する人もいます。
そんな中に言葉遊びという、古典的な評価に対する取り組みがあってもいいのではないでしょうか。