北房地区の魅力発信に力を注ぐ
北房地区の魅力を発信し、多くの若者に地域に残ってもらい、さらに多くの人に、北房に来てもらう。
そして北房を好きになってもらうために活動をしている。
そんな地域愛を前面に出し、イベント企画やサラウンド制作などお仕事を通した活動とボランティアでホタルの飼育や子供たちへのホタルを通した学習・コスモス祭りなどの幅広い活動されている坂本信広さんにお話を聞いた。
北房地区は真庭市域でも独特な文化や伝統を持っており、近年まで美作地区よりも、高梁市や新見市、そして中世までは備後地域とも関わり合いが深い歴史がある事が、影響しているのではないかと、坂本さんはおっしゃる。
魅力的な文化
実は北房には、「松山踊り」や「備中神楽」などが残っている。
ここで、松山踊りと備中神楽について、ご存知ない人に簡単に説明する。
松山踊りとは「備中松山城」に慶安元年(一六四八)に水谷勝隆が城主として入城した際に、五穀豊穣を祈願して躍らせたのが始まりとされる。
今は岡山県を代表する盆踊りとして、毎年高梁駅前大通りで開催されている。
一方の備中神楽は、備中(芳井、美星、成羽、豊松)の辺りで舞われた荒神神楽が起源とされている。
文化・文政年間に高梁市出身の神官で国学者の西林国橋が神代神楽を加え、神職以外の神楽大夫が舞えるようになり、現在の備中神楽となった。
坂本さんは「津山を中心とした他の美作地域にない、独特の文化と鍾乳洞や山並みなどの自然を是非、多くの方に知ってもらい楽しんで貰いたい」と言葉も弾む。
まずは自分たちを知ろう!
「北房にお住まいの方が、北房の魅力についてよく知らない事が多いんです」の言葉に筆者である私が、以前北房に素晴らしい一本桜が多いことを聞きつけ、北房の桜巡りをしようとした際に、少し離れた場所で地元の人に桜の場所を尋ねても分からないことが多かったことを思い出し、そのこと投げかけてみた。
「そうなんですよ。よくご存じですね。樹齢300年以上の一本桜があちらこちらにある事も、桜から少し離れると知らない方が多いんです」
自分たちの魅力を発信するのに、自分たちのことをよく知る。ここがスタートだと力強くおっしゃっていた。
インバウンド観光に拘らない。
観光と言えば、今は外国人を対象としたインバウンド観光にばかり注目が集まっている。
しかし、北房を好きになって頂ける方であれば、インバウンド外国人に拘る必要がないという。
もっと言えば、日本人の方が、北房の伝統や文化、自然の魅力を理解してもらいやすいのでは? と。
当然、外国人の方を排除するわけではないが、同じ日本人の方が様々なものに興味を持ってもらいやすい。
だからこそ、国内観光客に対してのPRも、しっかり行っていきたいとのこと。
真庭市の行政側からは、真庭市全体で地域おこしをと言われるが、小さい集団でできないものが大きい集団でできるわけがない。
と、蒜山地区も湯原地区も、協力し合いながらも、独自のまとまりで意欲的に活動できている。
PR方法などの課題はあるが、このままの流れで今以上に頑張っていきたい。と締めくくって頂きました。