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趣味が交わる商店街

はじめて開催されだしてから8年間も続く「まちなか博物館」。
昨年、9月に銀天街から三丁目商店街に移転オープンをし、現在も毎週土曜日に開催している。
展示物は、骨董一般で各コレクターが、割り当てられたブースの中で展示するかたちだ。

津山まちなか博物館の朝山さんにお話を伺った。




始めるきっかけについて聞くと、「賑わいが薄れてきた銀天街の活性化のために、何かできないか?」そんな相談が、現在「まちなか博物館」の館長でもある、協同組合銀天街の出口剛三さんから、舞い込んできたのが最初だった。と当時を振り返る。

すぐに「じゃあ出来ることをしよう!」自分の趣味でもあった骨董を展示することを思いついた。
じゃあすぐにやろう! ということで、当時あったマルイの2階を借り、始めることに。
最初は、自分のコレクションと知り合い数人の仲間の展示から行った。




それが、回を重ねるたび、知り合いが他のコレクターに声をかけ、またそのコレクターが知り合いのコレクターに声をかけと、ドンドン広がっていき、大きな輪となった。

今では、津山の主な骨董コレクターは、ほとんどが参加する催しとなり、美作地域以外にも、広く知られる存在になっている。
さらに、コレクターの中には、その分野では国内でもトップコレクターの方もいらっしゃるのだ。

展示は、主に陶器、磁器、大判小判等の金貨、古銭などの貨幣、浮世絵などになるが、ありとあらゆるものが所狭しと並んでいる。
とにかく、見て飽きない。




見学者は入場料無料で観覧することができるのも魅力。
朝山さんに話を聞くと、運営費は各コレクターに一定区画で区切られたスペースを1開催500円の会費で貸し出すことで捻出している。そのスペース内でコレクターが展示したいものを自分で選定して展示しているという。
そのため、展示テーマや展示方法などが各スペースで全く異なる。
まさに、ごちゃごちゃ感満載の会場で、これがワクワクするような空間演出に貢献しているのは明らかだ。
各スペースには、それぞれのコレクターの方がいて、空いている時であれば、一般の方が観覧していると声をかけてもらえ展示物の説明をしてもらえることも。
なんと、場合によってはお茶やコーヒーを頂けることもある。




現在の展示しているコレクターの多くは津山市の方だそうだが、展示しているコレクターがゲスト(知り合いのコレクター)を招待してくることも、しばしば。
県南や県外の方もいらっしゃるそうだ。
専門的知識を持った方が集い、コレクター同士の情報交換の場としても機能している。
コレクターが「どうしても欲しい」と言ったものが展示されている時には、コレクター同士で売買の交渉が始まることもあるそうです。

朝山さんの出品のメインは古銭、それも中国銭だそうだが、それ以外にも「幅広く出展しているんです。」という。
本当は、コレクトするものを区切ってそこに集中する方が、良いものを集めやすいんですが、多趣味なもので、どうしてもあれこれ集めるんですよ」言葉を弾ませながら話してくれる。




移転後の今のまちなか博物館も、マルイ銀天街本店が閉鎖される話を受け、朝山さんが古民家を借り1年間かけDIYで内装を行ったとのこと。
コレクションだけでなく、本当に多趣味だ。

取材をしてみて朝山さんのコレクションは、実に多彩であることを認識させられた。
「車も7台もっているんですよ」なんてことをさらっと言うのだ。
現在の所有車にはベントレーやフェラーリなどが、あるそうだ。
過去にはポルシェ964などのマニアが喜びそうな車も所有していたとのこと。
ポルシェ社も今は製造していない空冷モデルだ。
そんな朝山さんの、今のお気に入りは『ミゼットⅡ』、キュートな外観と、小回りが利く使い勝手が最高だとのこと。
「場所と機会があれば、コレクターを集めて車の展示なども、したいと思ってるんですよ」そう語る朝山さん。




最後に、「まちかど博物館もですが、楽しんで見てもらって、地域の活性化につながれば最高です」
 そう締めくくってくれた。

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