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音楽があふれる街に

津山シティーブラス 代表 高村一郎さん

 津山市を中心に、活動している『津山シティーブラス』。結成32年目となる岡山県北を代表する社会人アマチュア ブラスバンドのひとつだ。
現在のメンバーは40人を超える大所帯となっており、構成は、地域密着のアマチュアバンドらしく中学生から60代まで、親子二代で参加しているメンバーもいるなど、実に幅広いのが特徴だ。メンバーの居住地は津山を始め、真庭、美咲、勝央など美作地域全域から集まる。
そんな津山シティーブラスの2代目代表を引き継いで16年目となる、高村一郎さんに運営などについて聞いた。
今年は、コロナ禍にあり、練習や定期公演などでも一定の制限があったり、思ったように活動できない。そのため、例年であればの前提で話をしてもらった。




 美作地域では社会人ブラスバンドは、把握しているだけで6団体あり、複数のクラブに所属している人もいるとのこと。
34年前、活動方針を巡って、元々あったクラブから分離、独立して発足した。
具体的には、メンバー的に不十分でもステージに立ちたいというグループと、十分にメンバーが揃った時点で初めてステージに立つグループ、といったちょっとした路線の対決だったという。
「とにかくステージをこなしたい」といった主張をしたグループが、今の『津山シティーブラス』となったそうだ。
メンバーは元々、吹奏楽部に所属していた人ばかりで、社会人になってクラブに入らないと演奏する機会がない。その受け皿としても活動意義があるとのこと。
主な活動は、毎週の練習と毎年11月に行われる定例演奏会があり、それ以外にも市の行事や地域行事などにも依頼されると出演をしている。
他にも全日本吹奏楽連盟に所属する岡山件吹奏楽連盟の演奏会などで岡山市内まで出かけ演奏もしている。アンサンブルのような小規模な参加を含めると、毎月の様に何らかのステージを行っている。かなり積極的な公演スケジュールだ。





 活動のもうひとつの柱である練習環境についても聞いたのだが、実は専用の練習スタジオを持っているのだそうだ。
プレハブ建てだが、2棟あり、練習棟の大きさは4間×7間とかなり広く、津山文化センターのステージに近い大きさを確保しているそうだ。しかも防音材も入れてあるという。若干の音漏れはあるが、場所が西寺町の浄水場の近くでもあり、近隣の住居までは一定の距離がある。そのため騒音問題も気にすることなく、夜間10時頃まで練習できるのが最大の売りなのだ。
そして、もう1棟は備品や荷物などを置いたり、個人練習やアンサンブルの練習をする目的で使っている。
この練習場はメンバーの一人が、無償で場所を提供してくれ、皆でプレハブを建て、管理もメンバーでしている。ここが、まさにクラブの拠点だ。
ただクラブ運営で、苦労することがないわけではない。
メンバーが増えても楽器に偏りが出るなどバランスが取れない部分もあるという。
また年度末になると転勤などの辞令が出る時期でメンバーが急にいなくなるなど、調整だけで、かなり大変だという。
そんな中で、昨年、一昨年と平均年齢が下がったという。
高校生と20代の数人が新規加入したのが理由だそうだ。
若い層を勧誘するのに、小学生を中心にジュニアブラスというクラブを作り、指導をしている。そこを卒業したメンバーが、年次ごとに順々に参加してくれることで、将来的にもクラブを維持していけるのではないか。という考えだ。




 少し前、まだ作陽音大があったころまでは、津山市は行政も『音楽都市 津山』として力を入れてPRしていた。
今は、少しそれが影を潜めていると感じるそうだ。今も作陽音大のOBが多く住んでいる。
ジャンルを問わず、もっと音楽を通して、この地域で暮らす人たちの心を豊かにできるのではないだろうか?
プロ、アマチュアを問わず、ヨーロッパの様に音楽の社会的な地位が向上すれば、津山を中心に美作地域の文化として根付いていくと思うということ。
さらにそれが、街中の賑わいに結びつき、地域の活性化に貢献できることになれば嬉しいと語ってくれた。
『音楽都市 津山』という言葉が、また前の様に目に耳に届き、街中どこからでも音楽が聞こえる街になることを夢見て、『津山シティーブラス』の活動がさらに隆盛になってほしいものだ。

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