アットタウンWEBマガジン

子供たちを見守って

鏡野町薪森原 児童見守り隊 坂田勇二さん

毎朝、鏡野の産業団地に向かう県道で、交差点ごとにこども達の通学のサポートに立っている人達がいる。
通勤でこの道を毎日通っている人には、お馴染みのいつもの風景になってきているのだ。
そのこども達の登校を、サポートしながら見守っているのが、薪森原 児童見守り隊の皆さんだ。
会員は薪森原(たきぎもりばら)地区の26名、全員がボランティアでの活動になっている。会員構成は、30歳代から70歳代と年齢は幅広く、子供さんやお孫さんが通学していない方も多く在籍し、活動しているとのこと。
主な活動は、交差点の横断などの補助や付き添い登校となっている。
この度、活動内容についての話を、会長の坂田勇二さんに聞くことができた。




 まずは、会を発足させたのが、3年と少し前の2016年8月。
登校の見守りを始めたきっかけについて聞いてみた。
薪森原地区の環境として、産業団地に通勤する車が年を追うごとに増えてきていることと、地域内を走る県道が綺麗に整備され、走行するスピードも上がってきていたことが、子供たちが安全に登校するのに障害となるのではないか、との話が出てきたことだという。
当時、町内会の役員や交通協力員などをしていた坂田さんが音頭をとって、こども達の登校の安全を確保する活動を行おうと、仲間内で声をかけたのが始まりだそうだ。
そこで、一緒に活動を開始してくれたのが6名。
その6名で活動を開始した。そのメンバーは、今も中核となって活動をしている。




 活動を開始するに当たり、許可や届は必要なのか? 何をどうしたら良いのか? 何もさっぱり分からなかったという。
学校、役場、教育委員会、警察と、あちらこちらに話をしに行ったという。
どこも、「良いことなんで、どうぞやってください」といった対応で、活動を始めることを歓迎してくれている感じだったそうだ。
しかし、他に賛同してくれる人を探すための告知や、助成金などについては一切ないということ。
そこで、みんなが登校サポートに必要なものを持ち寄りスタートした。
活動の内容については、特に役割分担などを行っていない。気づいた人が気づいたことを行う。スケジュールなども、出れるときに出てくれればいい。と言ったスタンスだ。
必ず出てくれなどと決めてしまうと、それが負担となり出ることが億劫になりかねないとのこと。
協力してくれる会員が、それぞれの都合が付く時間で、気持ちで出てくれるのが、一番長続きするのではないか。と思うからだそうだ。
それでも毎日、一日も休まず交差点に立つ人も多いという。会員に対しては「ただただ感謝するしかない」そんな思いだそうだ。
鏡野町に限らず、岡山県北でよく発生する朝霧。発生した時は、視界は狭まり発見が遅れる。もっとも事故が起こりやすい条件だ。
そんなときの為に、横断旗に警備棒を取り付け点灯させている
他にも、各交差点全てに立っていられないといった問題には、一区切りついた交差点から、車で児童を追い越し、次の交差点まで先乗りして対応するなど、工夫を凝らす。
坂田さんは「見守り隊は交通事故に対して行っているだけではなく、防犯目的でもあります」
という。
新聞やテレビなどのニュースでも事件事故に巻き込まれたと報道されている。「こどもの ”おはようございます“   ”ありがとうございます“ の声が嬉しい。こども達は地域の宝です。なんとしても地域でこども達を守りたい」と話してくれた。




 活動の中で最も大変なことは会員の輪を広げることだそうだ。これについては、今でも解決できてない課題として残っているという。
26人の会員だけでは、遅れて追いかける児童などを守ってあげれない。
今まで、回覧板で書き物を回してもらったり、薪森原地区の総会で呼びかけたりをしてきた。「会員については薪森原地区はもちろん、それだけではなく近隣の下原地区など、多くの方の参加があれば嬉しい」とのこと。
最後に、この組織の将来について聞くと「できれば、この活動に町やまちづくり協議会、自治会など、どこかが助成をしてくれて活動を支えてくれるようになれば」とこたえてくれた。

坂田さんたち、『薪森原 児童見守り隊』の活動に賛同される方は、登校サポートに毎朝立っている人に気軽に声をかけて欲しい。と呼びかけて筆を置く事にする。


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