アットタウンWEBマガジン

津山をもう一度音楽の街に

日下兄弟デュオ  日下康二さん

 津山で、『日下兄弟デュオ』として音楽活動をしている日下康二さん。
日下兄弟の弟さんにあたる。
残念ながら、現在のコロナ禍にあって音楽活動はオンラインライブのみとなっている。
お客さんに足を運んでもらい、直接見に来てもらえるようなライブは、コロナが始まって最初の緊急事態宣言の時から、自身では一切できていない。
唯一のライブコンサートは感染が落ち着いていた時期に、タテタカコさんのツアーにセッションで参加したのみだという。
オンラインライブは、ユーチューブで日下兄弟デュオとして、チャンネルを開設して行っている。




 現在は、ウッドベースと呼ばれるコントラバスという楽器を演奏している。
この楽器は2メートル近くあるバイオリンを巨大化させた楽器で、比較的珍しい楽器ではあるが、テレビなどで、見たことがある人もいると思う。
このウッドベースという楽器で演奏し始めたのには理由があり、BLACK CATS(ブラックキャッツ)の久米浩司さんから貰ったものだそうだ。
BLACK CATSと言えば、日本を代表するロカビリーバンドとして、アメリカツアーなども行っていた世界的なバンドとして知られている。





そんなバンドの元メンバーと一緒に音楽活動をし、さらにはウッドベースをプレゼントまでしてもらっているのだ。
しばらく東京で活動していたが、東京の水が合わなかったのか、津山が恋しくなったのか帰ってくることになるが、COITI BANDとして東京時代の音楽仲間とのバンドは継続しており、東京、名古屋、大阪、水戸、広島など、全国を又にかけて活動している本格的なロックバンドだ。
前述のウッドベースは、COITI BANDのドラムのヒロ君の先輩が久米さんで、そのヒロ君経由で頂いたという経緯がある。




 そんな康二さん、津山での音楽活動はもっぱら、日下兄弟デュオが中心だ。話を聞いていて、兄である輝之さんをリスペクトする意識はかなり強い。それもあって、兄弟デュオの活動に力が入るのだろう。この活動で演奏する音楽のジャンルも、輝之さんのスタイルでもある弾き語り用のオリジナル曲やスイング系の曲(ジャズっぽい感じの曲)が多いという。
コロナ禍になってオンライン配信でファンの人達に音楽を届けるのも、輝之さんと相談して決めたという。
それでも、やっぱり生の音楽を聴いて欲しいという思いは強いそうだ。
そのことについては、「新型コロナの感染を防ぎながら、生ライブをする方法はないか、考えないといけないですね」そう話してくれた。
そうまでして、このコロナ禍において音楽を続けたいのは、次世代に津山の音楽文化を繋げることが重要だとの思いがある。





「自分たちも、先輩たちが音楽をしていたのを見て、今、音楽活動をしている。これをずっと津山の文化として将来まで引き継いで欲しい」というのである。
昔は津山でも何人もいた、弾き語りの路上ライブなども、コロナ感染が広がる前でも、すっかり、いなくなってしまっていた。
「路上を最後にしていたのが、兄の輝之じゃないですかね」と教えてくれた。
津山は十数年前までは、作陽音大があったこともあってか、音楽の街といわれるくらいにジャンルを問わず音楽が盛んで、様々な人やグループが活動していた。





今でも、市民楽団をはじめ、ブラスバンド、ロックバンド、JAZZなどの活動している人は多いが、昔の事を思えば、かなり少なくなってきていることが寂しいとのこと。
今、K2が休業中というのも、今後の音楽をする人たちにとって厳しい環境になるのではと。
やはり、津山で本格的な規模のライブハウスと言えばK2だったので、影響は大きいのだろう。コロナが早く収束し、K2が再オープンすると、音楽に対する空気も環境的にも変わってきそうだ。





最後に、地元津山についての想いを聞いてみた。すると、もう一度、音楽の街として日本中に認知してもらう為に、ジャンルを超えて協力するようなことが出来れば、また雰囲気も変わるのだろうなと、思っているそうだ。
もう一度、聴く人、見る人、演奏する人が一体となって盛り上がれるようにしたいとのこと。
「コロナが収まれば、アットタウンが、今まで取材した音楽関係者の方に声をかけて、音楽の街津山を再生する座談会とか開いてくれればいいのに」と笑いながら要望を受けた。

アットタウンとしても、どのようなことができるか分からないが、どのようなことで力になれるか考えていきたい。

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