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虎の干支展 旧梶村邸(城東むかし町家)

 津山市の城東町にある豪商旧梶村邸(城東むかし町家)において、毎年恒例となった干支人形展『歌舞伎に登場する寅たち』が11月11日より開催中だ。
2月末日まで開催される。休館日は、火曜日(祝日の時は翌日)、12/29 ~ 1/3となっているので、見に行かれる方は注意してもらいたい。
今回の展示では、歌舞伎に虎が登場する国性爺合戦(こくせんやかっせん)の人形が展示されている。





 ここで、国性爺合戦について、簡単に説明すると、以下のようになる。
元々は、近松門左衛門作の人形浄瑠璃として人気となっていたものを、歌舞伎化されたもの。明朝の復興運動を行った鄭成功の実話を脚本にしたものだが、結末を含め、オリジナルストーリーが多く、史実とは異なる展開となっている。





物語のあらすじは、{明朝末期、明の貿易商、鄭芝龍は日本の平戸の娘と結婚し、息子の鄭成功が生まれた。15歳で父とともに明にわたるが、明は李自成の乱と清の侵攻により、衰退しつつあった。親子は落ち延びた明の皇帝に仕え、清に抵抗し続ける。





その結果、明の皇帝の姓である「朱」姓を賜り、国姓爺と呼ばれるようになった。 その後、明の皇族の生き残りを守るために台湾を占領し、生涯、清への反抗を続けた。}というもの。海外の国を舞台にした、壮大なスケールの歌舞伎となっている。





 続いて、来年の干支の虎について。
干支に使われている虎、干支として使う場合は『寅』と書く。この寅という漢字は『演』が元になっている。
『演』(えん)の元となった『延』(えん)から『延ばす』『延びる』という意味で縁起がいいと言われている。一説では、『演技』という言葉は、『技を延ばす』という意味から出来たという話もあるのだとか。
寅年は『人の前に立つ』(演技)ことや『延ばす』という意味から、芽を出したものが成長していく、ということで、『始まる』『始めの』年と言われている。





また、大切にして手放すことができない秘蔵品、貴重なものを、「虎の子」という。これは虎が、子どもを大切に育てるところからきている。「虎穴にいらずんば虎子を得ず」ということわざは、大切に育てられた虎の子を手に入れようとするならば、危険を恐れていては何もできない。との教えになる。





さらに、虎には魔よけの意味もあり、全国各地で作られている張子の虎は、そのような願いをこめたものだということ。正月寅の日に行われる初寅参り。毘沙門天(びしゃもんてん)をお参りするが、毘沙門天は多聞天(たもんてん)ともいい、財宝を守る神様になる。





他にも、虎の勇猛果敢なイメージから、周りから一目置かれ、「カリスマ的存在」と言われたり、虎は、その模様から前身が夜空に輝く星と考えられていたことから『決断力と才知』の象徴としての意味もあるなど。
このように、虎(寅)は、多くの人達から、縁起物として広く親しまれているのだ。

そんな今年の干支展『歌舞伎に登場する寅たち』を是非楽しんで頂きたい。

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