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短歌で楽しく

真庭短歌協会 代表 岡田耕平さん

 真庭市は合併前の旧町のうち、5つの町にそれぞれ短歌会がある。
その短歌会が集まって連合したのが、真庭短歌協会となっている。
インターネットで検索してみると、歌人を招いて研修会を開催する記事が出てくるなど、積極的に活動をしている。
その短歌協会の代表をしているのが、今回話を聞いた岡田耕平さんだ。




 真庭短歌協会としての活動は、年に2回研修会を行い、毎年1回歌集を出している。
歌集は、1人一首で毎回50人から70人が詠進し、大森智子さんや、池本一郎さんなどの著名な歌人に選を依頼し、全ての歌に評を付けてもらうというスタンスだ。

 冒頭で、旧町の各短歌会が集まって連合したのが真庭短歌協会と書いたが、実は、各短歌会に所属しなくても、協会の活動に参加することが出来る。というのも、一首500円の詠進料を納めて歌を詠進すれば、誰でも参加可能なのだ。
我流で短歌を詠んでいる人も、チョット気軽に詠進するだけという感じなのだ。さらに、短歌を詠まない人でも、500円の参加費を払って参加可能と、短歌のすそ野を広げることを目的とした活動をしている。
 一方、旧町の短歌会は、岡田さんが所属している落合短歌会を例にすると、月に2回歌会形式の勉強会を開催し、年に1回、歌集を作っている。
歌会というのは、詠み人を隠して詠進された歌について、参加者が評を付けたり、票を入れ順位を付けたりする会で、勉強会などの目的でよく開催されている。この歌会も、二首1000円で、申し込みさえすれば誰でも参加可能となっているのだという。(一首、三首の詠進は不可)その詠進を元に、年に1度、歌集を発行するのだそうだ。
その他にも、落合短歌会で積極的に行っているのが、全国の著名な短歌コンテストへの応募だ。過去に、メンバーが角川文化財団の『角川短歌賞』や、宮島観光協会の『宮島全国短歌大会』、中でも国民的な短歌大会であり、NHKホールでテレビ収録されることでも有名な『NHK全国短歌大会』でも、特選を始め様々な賞を取っているという、ハイレベルな短歌会だ。
そして、今回話を聞いた岡田さんも、なんと『宮中歌始めの儀』で佳作をとっている。
その、宮中歌始めの儀で佳作を受賞した時の話も聞いたので、ここで少し紹介したい。




 まず、受賞の連絡の方法は、宮内庁から突然電話で、受賞内容を言わず、『2024年の宮中歌始めの儀で候補に残っています』と内示してきたのだという。
とにかく「びっくりした」というのが最初の感想だそうだ。その後、二重詠進のない未発表作かなど、簡単な確認事項と、宮内庁発表まで外部に漏らさないようになどの、注意事項を伝えられるだけだったという。
佳作などが存在している事を知らない岡田さんは、「モーニングをしたくして東京に行く用意をしないと」と舞い上がった。
数日して、郵送で正式に通知が届き、横長の証書に『撰歌に次ぐ佳作』と記してあった。内示の電話で舞い上がっただけに、通知が届いたときは残念な思いはしたそうだが、それでも佳作ということで、誇りに思うということ。

 落合短歌会のメンバーは、口語の現代仮名で詠む現代短歌の人が多いそうだが、文語体を使う近代短歌を好む人もいる。また古語から勉強し、古典和歌などに影響を受ける人もいて、それぞれが互いのスタイルを尊重しながら、勉強会をしているのだという。

 その中で、実績のある歌人を講師に呼ぶなど、落合短歌会だけでは難しい企画を、真庭短歌協会として連合し、集まって人数を増やすことで実現可能にし、より多くの人に共感してもらいやすい表現を勉強するという活動になっているのだそうだ。
その他にも、文化財団からの補助をもらいやすくなったりするためであったり、発行する歌集を充実させるために、連合会を形成して運営されているのだ。

 落合短歌会、真庭短歌協会の参加者が、自由なスタイルで自由に楽しめる短歌会という、歌の本来の姿に共感するばかりです。
できれば、アットタウンの短歌コーナーへも詠進して頂ければと願って、この記事を締めくくります。

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