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コカリナの音色にひかれて

 鏡野町に『木心』(コロン)というサークルがある。これは『コカリナ』という楽器を演奏するサークルだ。この『木心』を主催されている石原百合子さんにお話を聞いた。

 建部生まれの70代。20代の時に鏡野は奥津に嫁入りし、以来、ご主人とともに農業をしている。
その石原さんが、はじめてコカリナに出会ったのは、約7年前。
当時、たまたま鏡野町で開かれた健康教室の健康講習会で、後に講師としてお願いする古沢さんが心理療法士として、コカリナの演奏をしたのを聴いたのがはじめてだった。
一般に「木の妖精が歌っているようだ」と評されている、今まで聴いたことのない、透き通った音色に一瞬でほれ込んだ。






 ここで、コカリナという楽器について説明をしたい。
1995年に日本に紹介され、徐々に人気が広がっている楽器ということ。
元々は「桜の木でできたオカリナ」と呼ばれ、東欧ハンガリーの露店で売られていた笛だった。
高音を奏でるソプラノコカリナは、主に硬めの桜、もみじ、かえで、くるみなどで作られる。大きさも10㎝に満たない。対して、低音域のコントラバスコカリナは、スギなどの柔らかい針葉樹で作られ、大きさも最も大きなもので30㎝を越えてくる。
使う樹木によって音色が変わるのが特徴だ。価格は概ね1万円以下となっており、管楽器や弦楽器などと比べ、求めやすい値段となっている。
岡山では普通の楽器店では置いていない。そのため、インターネットで探して通販で買うか、先生にお願いして買ってもらうのだという。






 初めてコカリナの音色を聴いた石原さん。どうしても、自分でも演奏したいと思いたち、古沢さんに交渉する。同時に仲のいい友人に声をかけまくり、ようやく5人集めて古沢さんに講師のお願いをしたのが始まりだそうだ。
練習は、はじめ鏡野の中央公民館で5年位前まで行っていたが、会場使用の日程の関係もあり、今は第一木曜日の13時30分から鏡野町大野公民館で行っている。
メンバーは男性が一人で後は全員女性ということ。

 その後、奥津紅葉まつり、敬老会、富振興センターでのイベントなどのステージで演奏会を行うなど、活動の幅を広げて来た。まじめな方が多いので、特に面白いエピソードはないが、やはりうまく演奏できると嬉しい。
活動が知られるようになると、ぽつぽつと仲間も増え、多い時は14人もの加盟があった。
初の演奏会まで3年程の期間を要したが、コロナが流行るまでは順調に推移してきていた。
それが、コロナ禍に突入し、演奏会などの活動が出来なくなった。最近の練習以外の活動は、道の駅での公開練習くらい。
露出が減ると新規の加入者がなくなり、現在では会員数10名とジリ貧気味になってきだした。練習に出てくる人が固定化してきていつものメンバーが5名ほど。
このコロナ禍であっても、「練習や演奏を一緒にしてくれる人を増やしたい」というのが、今一番思うことだという。

 実は、2年前にサークルに名前を付けた。
名前は『木心』(コロン)。サークル名の由来は、コロンの音の響きがコカリナのイメージに重なるという事からだ。
漢字の木心は後から当てたという。木製の楽器で心に響く透き通った音という意図だ。
しかし、コロナ禍で活動が制限されたため、まだ身近な人しか知らない。
せっかく付けた名前なので、このサークル名も多くの人に知ってもらいたい。
幸いにも、直近でコロナの感染が抑えられているので、この期間に演奏会などの公演も、依頼があれば積極的にこなしたいのだそうだ。
内容については原則は無料で出演するとのこと。ただし都度メンバーとの日程調整になる為、必ず受けられるとは限らない。
また遠方からの依頼などでも、気軽に相談して欲しいと。
距離についても「遠いから必ずお断りする」というものではないということ。こちらも「メンバーと相談しながら返事をさせてもらう」ということらしい。
また、出演依頼だけではなく、入会希望者も募集しているとのこと。
特に細かい縛りはなく、月一回の練習に来られる方であれば、鏡野町以外からでも可能だそうだ。
入会には、年会費が1000円。あとは練習に参加する都度2000円を集めている。
出演依頼、入会希望、どちらも鏡野町文化協会に連絡すれば、石原さんに繋いでくれるとのこと。

問い合わせ:(0868)54‐0573

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