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農家の主婦で皆で楽しく学習と交流を

鏡野町生活交流グループ
自立農家主婦の会 副会長 井上悦子さん

 自立農家主婦の会は、1950年代から1970年代にかけて、日本農家の女性達の生活改善を目的として農林省の指導の元に、全国に組織された団体の鏡野支部が前身となっているグループだ。
鏡野町では、農業生活改善の会として、48年前に結成され活動が始まったのだそうだ。
活動当初は、農家の収入も少なく、主婦は自分たちで使えるお金が一切なかった。
そのため女性の自立を目指して、休耕田を借り会員だけで水稲耕作を行い、津山の商店街のスペースを借りて売ったり、無人店舗を開設して直売を行ったりして、服を買っていた時期もあったそうだ。
また、その頃から皆で集まり、それぞれが米や大豆を持ってきて、協力して自家製味噌を作る活動なども始まったという。




 それでも今では、農家自体が少なくなり、会員もかなり少なくなっている。
最盛期には30名を大きく越えた会員も、今では11名、最も少ない時は7名まで落ち込んだ。
農家の所得も徐々に向上したこともあり、会員の減少に拍車をかけた。
途中で会の名前を変え、今の自立農家主婦の会となり、新たな活動も行うようになった。
今の主な活動は、JAの指導員を呼んでの農業研修会の開催や、地元農産物をメイン素材にした料理教室、研修旅行、JA広報誌に活動報告を出すなどだ。
コロナ前だと、米の普及活動の一環として、産業まつりなどで米粉を使った米粉ピザや米粉カレーの講習・販売を行ったり、小学校で長巻ずしを巻いたりといった活動もしていた。しかしながら現在は、コロナ禍ということと、米普及の補助事業が停止している為、材料費が出ないということの2点で完全に止まっている。
会設立当初から行っている自家製味噌を会員共同で作る活動も、施設の老朽化から来年以降の活動は未定の状態だそうだ。
活動が衰退化していく中で、何とか地域の農業を盛り上げたいという思いから、会員の募集について緩和を始めたという。





元々は専業農家の主婦の生活改善から始まった組織だが、家庭菜園やガーデニングをしている人たちのように、農業に興味がある人にも門戸を開こうというのだ。いわゆる広義の意味での農家を対象にするのだ。
現在の会員は、仕事として農業を行っている人ばかりだ。家庭菜園などが好きな人達に向けて、農家の知識と経験を伝えれば、喜んでもらえるのではないだろうか?
土の状態、天気・気温や日照時間、苗の状態、それまでの薬や肥料の使用状況、同じ条件で育てられることが絶対にない中で、上手くいかないことも多いのが農業だからだ。
インターネットで調べても、同じ環境なのかもわからない。はっきりした答えが見つからない時に、経験が重要になるのだ。





また、会員にも分からないことがあれば、JAから指導員を呼んで研修会を行うといった計画も立てられる。
全く同じ環境でなくとも、様々な経験をすることで、原因や対処法の推測ができる。
専業農家や一定規模の兼業農家でなくとも、参加してもらえれば、それなりのメリットを返せるという思いもある。
そんなことで、今、一緒に交流をしながら、農業に関する勉強をする会員を募集している。
年会費は2,000円で、視察学習など事業によって追加費用が必要な場合もある。
詳細については、JA晴れの国岡山 津山西部アグリセンターの自立農家主婦の会事務局に問い合わせをして欲しいということ。
「もっと多くの人に、農業について知って、触れて欲しい、興味を持って欲しい」それが、井上さんたち自立農家主婦の会、みんなの思いだ。

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