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銘木の神社にユニコーン(一角獣)を見た

巨木銘木が印象的
林野神社前は旧出雲街道。
出雲街道は、鎌倉時代末期「元弘の変」で京から隠岐島へ流された後醍醐天皇がたどった道で在りし日に傷心の後醍醐天皇は、林野神社をどんな思いで見たのだろう。
まず神社で目を引くのは、立派な巨木だ。
林野神社のケヤキとして美作市天然記念物に指定されている。
樹高20メートル、目通り周囲は5,3メートル。
そして、そのそばにどっしりとした「林野神社一の鳥居」(美作市指定重要文化財)がある。元禄3年(1690)に建立され、同市内に現存するものでは最古の鳥居とされている。
巨木はほかにも数本あり出雲街道をはさむように、イチョウが2本そびえ立っている。



阿吽(あうん)の狛犬 
林野神社の御祭神は天照大神(アマテラスオオミカミ)で国土安全、開運、勝運、福徳にご利益があるといわれる。
境内社には荒魂神社、稲荷神社、大己貴神社などがある。
古びた鳥居を入るとすぐに狛犬がいる。
備前焼で出来ており、向かって左側「吽」の方の狛犬には立派な一角が生えている。
歴史研究家・和仁隆明氏によると天皇家の紋章の一つに、ユニコーンとライオンが描かれているものが伝わっており、①その由来に基づき造形したものではないか、②中近東から渡来人と共に入って来たのではないか、③同時に中近東の信仰も入って来たのではないかと推察する。
「ユダヤの十二氏族の中にユニコーンがシンボルになっているものもあり神社とのつながりが面白いと思う」と遠く中近東の国、信仰につながると仮説を立てている。
ユニコーンの姿をしている狛犬は珍しく、同神社は渡来人との関係もあるのではないかということだ。



神社からの眺めも素晴らしい
林野はかつて高瀬舟での物資の輸送の盛んなところで神社門前には、清流吉野川が流れる。
少し下流を見ると潜水橋を見る事ができる。
潜水橋は別名沈下橋ともいわれ、川の氾濫した時は水流の下になるが、石で出来た橋のため水が引くとまた現れてくるという美作地域では珍しいもの。
秋には、数多の広葉樹が神社を彩る。
2本の大きなイチョウの木は黄色く葉の色を変え、落葉した時はまるで黄色のじゅうたんを敷いたようになる。



(歴史監修・和仁隆明)

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