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みんなで色彩を楽しみたい

戸田かおりさん

 忙しい日々に追われている中、目に入った花にほっと癒される。そんな経験をした人も多いと思う。
 今回は、鏡野町を拠点として、フラワーアートやフラワーアレンジメントなどの講師をする戸田かおりさんを紹介する。
今の活動は、JA女性部などに招かれての指導などが、中心となっているそうだ。
戸田さんは、50代、津山生まれの津山育ち。





 元々、色彩の世界が好きで、興味を持っていたのだそうだ。高校を卒業し、東京の美術短大へ進学したのも、そうした事が影響しているのだろうと話してくれた。
卒業後に、大阪でデザイン関連の仕事に付き、充実した毎日を過ごしていたとか。
その後、津山に帰郷し、結婚で鏡野に移り住んでからは、ずっと鏡野在住だ。
帰郷後は、デザインなどの仕事もなく、事務職をしていたというが、色彩への興味があってか、自然とフラワーアレンジメントに興味をもったという。





雑誌やネットで情報を得るなど、独学でフラワーアレンジメントをはじめて、気が付くと、会社の慶事や退職者への餞別などに、頼まれて花束を作ったりするようになっていたのだそうだ。
その後、ハーバリウムを習うなど、元から興味があることだけに、学ぶ姿勢も旺盛だ。
 講師として活動し始めたのは、3年前。コロナ禍にあって、JA女性部が料理などの講座を控え、他の教室内容を模索していた時に声がかかった。





好きな事でもあり、みんなで一緒に楽しむ感じでならと、話を受けたのが最初だった。1回の講座の参加人数は10~20人くらいで行っているそうだ。
それから、徐々に活動機会を増やすと共に、フラワーアレンジメントに対して、もっと知識が欲しくなり、フラワーセラピストの勉強をしているとう。





 フラワーセラピストについて、余り知られていないので簡単に説明すると、「五感を使って、季節のお花・行事のお花やハーブなどの植物と接することで、脳を刺激して活性化する効果があるとされている」とある。
戸田さんによると、体調や気分そして性格などによって、受け入れやすい色や香りなどが変わるのだそうだ。
それを生かして、生活の癒しや活力に誘導するのがフラワーセラピーというものらしい。
今では、そのフラワーセラピーの楽しさに嵌まり、ついには1級を取得して、講座で講師をする際に役立てているという。





 実は、今の講座では生花を使わず、アーティフィシャルフラワーで行っている。
これには理由があって、講座の予約に応じて花を準備する。その際に当日や前日などの直前キャンセルが出ることがよくあるのだそうだ。
せっかく用意したのに、活けられることなく、枯れる花が出ることが「かわいそう」だと感じるためだそうだ。
また、費用面でも実費と少々と、低価格の予算で行っているので、それなり以上に大変になる。
本当は、花の香りや手触りなども含めて、花を感じて欲しいとの思いもあるそうだが、今は妥協しているのだそうだ。香りという面では、フラワーセラピーのメリットは味わえないが、ポジティブに考えるなら、室内で枯れることなく、その彩りがずっと続くというメリットもある。当面は今の形での講座を継続すると言う事だ。




 そんな戸田さんが講座で心がけていることがある。
一番初めに、講師を受ける際に「みんなで一緒に楽しむなら」ということで、講師を引き受けた。今でもその姿勢は変わらないのだ。
このような講座を受けに来る目的は「花をきれいに活けたいというだけではないはず」だと感じているという。
日々のマンネリとした生活からのリフレッシュであったり、花をいじる事での癒しであったり、様々なはず。
人が集まり、楽しく講座を進めることも、花の活け方や色彩のバランスを教えるのと同じように、大切ではないかと思っている。





花を通しての、人と人とのコミュニケーション場としても、居心地のいい場所を提供したいのだそうだ。
楽しくなければ続かない。楽しくないと興味も深まりにくい。講座では、できる限り、居心地のいい空間になるよう、気を遣っているという。
 そんな戸田さんも、今後は公民館活動やサークルなどに呼んでくれるところがあれば、積極的に引き受けようと考えているそうだ。





今より、もっと多くの講座を持って、お小遣い程度は、講師の謝礼で賄えるようになるのが夢なんだそうだ。
その夢に向かって、「家庭内で、高齢プチ反抗期を始めたんです」と笑わせてくれた。
これからは、家庭に迷惑を掛けないように、自分がやりたい花の講師を増やし、さらに地元の人達に、潤いのコミュニケーションの場を提供する。そんな戸田さんの夢が、現実のものとなる様に、「頑張って」の応援の気持ちで、この記事を締めくくります。

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