アットタウンWEBマガジン

負動産対策関連特集 第二回

司法書士法人 アヴァンス・リーガル・サービスグループ
司法書士 武嶋慎也さんに聞く

遺産分割調停とは?

相続にまつわるお悩み

先日、相続に関して次のようなご相談がありました。
相続した土地と建物を、今現在管理居住してくださっている人にお譲りしたいのですが、相続人のうちの1人の方が、その件について全く話し合いに応じてくれない、とのご相談です。ちなみに他の相続人の方は皆さん、相続した土地と建物をその人に譲ることについては特に異論はないとのことです。
土地と建物を管理居住なされている方は、今回の相続とは全く関係のない第三者の方でしたので、この場合、登記の手続きとしては、まずは土地と建物についていったんは相続の登記をした後で、この第三者の方に贈与を原因として所有権の移転の登記をしなければなりません。
ところが、1人の相続人の方がとにかく話し合いに応じる気配がないのです。金銭的なことではなく、感情的な問題で軋轢が生じてのことだろうとのことでした。
いつまで経っても話し合う機会もなく、さらに相談者の方もご高齢でしたので、自分の身に万が一のことがあった場合、相談者の娘様もこのゴタゴタに巻き込まれるのではないかということを大変心配なされてらっしゃいました。




当事者同士の話し合いで
解決できない問題

ある人がお亡くなりになられたとき、その人の遺産は、遺言で特に指定がない限り、残された相続人間の話し合いで各自の取り分を自由に決めることができます。この相続人間での話し合いのことを遺産分割協議といいますが、相続人全員の参加と合意が必要となります。
ところが、感情的な問題で相続人間での話し合いがまとまらないことも多く、また、そもそも今回の場合のように話し合いに全く応じない相続人がいることもあります。このような場合の解決方法として、家庭裁判所を利用した遺産分割調停というものがあります。
遺産分割調停とは、家庭裁判所で、2名の調停委員を交えて意見が対立している紛争当事者間での話し合いの場を設けるものですが、調停委員の助言により紛争当事者が折り合える遺産分割案を詰めていくため、当初は合意が無理と思われていたケースでも、意外とスムースに話し合いが進むことがあります。





調停申し立ての詳細

一般の人にとっては敷居が高いものと思われるかもしれませんが、自分たちだけでは話し合いがまとまらないと思われたなら、遺産分割調停を申し立てることをお勧めします。
申立ての相手方が複数ある場合はそのうちの1人の住所地を管轄する家庭裁判所となります。申立先の家庭裁判所で調停手続が行われますが、遠隔地に住んでいて、その家庭裁判所に出頭するのが難しい場合には電話会議システムを使って参加することも可能です。家庭裁判所から出頭の呼出状が届いたにもかかわらず、正当な理由なく調停を欠席すれば5万円の過料が課せられることになりますので、遺産分割の話し合いに応じない相続人がいる場合には、遺産分割調停が効果的です。
遺産分割調停は家庭裁判所を利用して遺産分割の話し合いを行うものですが、話し合いといっても、意見が対立している当事者は自分の言い分を調停委員にぶつけ、その場に対立している相手方が同席することはなく、お互い顔を合わせることもありませんので、精神的にもストレスなく遺産分割の話し合いが進むものと思われます。





なるべく早く遺産分割調停の申立てをして、話し合いに応じようとしない相続人に調停の場に出頭させることで、まずは相続人間での遺産分割を終わらせることが肝要です。
その後は、調停で決定された然るべき相続人に土地と建物を相続させることで、いったんその相続人名義に相続の登記をしてから、土地と建物を管理居住している人に所有権を移転する登記をすることが必要となります。

知っておきたい負動産対策 無料相談会

【期間】令和5年6月3日(土)
【時間】9:30~
【会場】株式会社AFWアットタウン(津山市山北535-16)
※相談は完全予約制となります。

【ご予約・お問い合わせ】
アヴァンス法務事務所
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