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星まつりと節分祭

 節分は旧暦での新年にあたる立春の前の日を指します。
お寺では、星まつり、星供養として、神社では節分祭としてお祭りを行います。
星まつりは、立春ではなく、旧暦の正月に当たる1月末から2月初旬に行う場合もあります。

 ところで節分は「2月3日」と覚えている方も多いかもしれませんが、実は必ずしも2月3日であるとは限らないのをご存じでしょうか。2月の節分は「立春の前日」とさだめられており、立春は年によって変わることがあるため、2月2日や2月4日になる場合もありますが、多くの場合が2月3日となります。
本来の節分とは、春秋夏冬と四季が始まる前日全てになりますが、近年では一年の始まりである立春の前日を指す場合が多くなりました。

 さて、神道では節分祭や豆まきは、立春となる前日に悪いものを追い払い、幸運が舞い込むようにと願っておこなわれるようになっていきました。
節分祭りのはじまりは、平安時代や室町時代などと様々な説ありますが、どちらにしても、古くから伝わる、日本の伝統的な行事を代表するものとなっています。
節分祭の平安時代説では、節分は宮中での年中行事であり、『延喜式』では、彩色した土で作成した牛と童子の人形を大内裏の各門に飾っていたとされます。
これは、「土牛童子」とも呼ばれ、大寒の日の前夜の夜半に立てられ、立春の日の前夜の夜半には、撤去されていたそうです。
『延喜式』によれば、土人形も土牛も、それぞれの門での大きさは同じで、青、赤、黄、白、黒色のを高さ60㎝余り、46㎝程度で厚さ6㎝程度の正方形の板に立てると残っているそうです。
また、豆は「魔滅(まめ)」に通じ、無病息災を祈る意味があります。
昔、京都の鞍馬に鬼が出たとき、毘沙門天のお告げにより、大豆を鬼の目に投げつけ、鬼を退治したという伝説が残っており、「魔の目」に豆を投げつけて「魔を滅する」ということだそうです。

 仏教では、主に真言、天台などの密教系で行われ、「星供養」(ほしくよう)、「星供」(ほしく)、あるいは「北斗法」ともいいます。 
星祭りは、個人の災難を取り除き、寿福を願い星を祀って供養をします。
星まつりの星とは、北極星信仰(北辰信仰)北極星・北斗七星・九曜星を祀る場合と、定められた運命を「星」と呼び、その年の吉凶をつかさどる星をお祀りして一年の幸福を祈る場合があります。
称名仏教である浄土系の宗派では、星まつりはありません。宗教、宗派によって、考え方が異なる様です。
「星供養」の考え方は、人は一生の間には必ず良い時期と悪い時期があります。
何をやってもうまくいく年と、何をしても失敗してしまう年。これを一般的によく「星廻り」が良いとか、悪いとかいいます。
年齢にも1つの周期があり、悪い年齢に当たる年を「厄年」と呼び、男性の42歳、女性の33歳を厄の中でも「大厄」といい、特に災難の多い年齢とされています。
そこで、星まつりを行います。
護摩を焚き、善い星を呼び寄せて、悪い星を追い払い、災難を福に変えるお祭りです。

北辰信仰では、北極星もしくは北斗七星が化身となった妙見菩薩は、全ての星の中心とみなされ、「神仙中の神仙・衆星中の最勝・菩薩の大将」とされています。
夜空の真北に位置をずらさず、輝き続ける北極星は、北半球に住む人々にとって、夜間の目指す方位や、自分の今いる位置を知るために最も重要な星でした。
その北極星を、日本では古来から、優れた視力を指す『妙見』として崇めてきました。
それが転じて、人々の善行や悪行など、真理を見通すともされ幅広い信仰の対象となっていきます。
しかし、今も伝わる妙見菩薩の像は、北の守り神玄武に乗り、剣を持ち甲冑をまとうといった勇壮な姿になっています。
これは、中世の千葉氏、大友氏、鷲頭氏、大内氏一族をはじめ、戦国時代は織田信長、武田信玄、伊達政宗などの数多くの武将に信仰されてきたことが影響しているのでしょう。

 このように、節分祭、星まつり、星供養は全く異なる背景がある同じ時期の祭りなのです。ただし、時期が同じということや、神仏混淆の影響もあって、節分祭でも餅を振舞ったり、星まつりであっても豆をまいたりと、互いに融合して似た祭りとなってきたものと考えられます。
また、今年も立春の節分が近づいてきています。
皆さん今年は、神社、お寺、どちらで節分を迎えられますか?
まだ予定がない人も、日本風習文化として節分の豆まきを楽しみ、お餅を頂いてみては、いかがですか?




☆美作地区で開催される星まつり・節分祭を一部ご紹介します。

徳守神社 節分祭
日時:2月3日(土)
会場:徳守神社(津山市宮脇町5)
問合:0868‐22‐9532(徳守神社)

木山神社
日時:例年2月4日早朝
会場:木山神社(真庭市木山1265‐1)
問合:0867‐52‐0701(木山神社)

中山神社
日時:例年2月3日
会場:中山神社(津山市一宮695)
問合:0868‐27‐0051(中山神社)

聖徳寺
日時:例年2月3日
会場:聖徳寺(津山市小田中1416)
問合:0868‐22‐4459(聖徳寺)

※予定はは中止・変更になる場合があります。事前にお問い合わせ下さい。

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