津山市在住 主婦 川西ななえさん
今回紹介する川西さん、以前、アットストーリーのコーナーで紹介した、画家二科展会友になる永禮(ながれ)さんの実の娘だ。
以前の永禮さんを取材した際に、「実は娘の方が芸術的なセンスが優れている」と仰っていた。そんな話を思い出しながら取材を行った。
描いているのはアクリル画。文様や写実的な絵を組み合わせながら、新しいデザイン画を創り出すなど、斬新な作品を創作しているとの評価だ。
今40代の川西さんが、絵を描き始めたのは40年近く前になる、保育所の年中の頃だという。本当に幼いころから描いていたとのことだ。幼いころは、とにかく絵を描くことが好きで、毎日、いつも絵を描いていたという。
これには、父親の永禮さんの影響もあるのだろうが、幼いころは、結腸軸捻転症という病気を患っており、身体が弱く、友達と外で遊ぶことが出来なかったことも、影響しているのではないかということだ。
そんな川西さんは、過去には、『小中学校全国児童生徒絵画コンクール』をはじめ、学生時代の『二科展入賞』やその後の、『しんわ美術展』など、多くの賞を受賞するなど、思い出せば、きりがないほどの実績がある。
高校までを津山で過ごし、大学進学を機に大阪に出た。大阪芸術大学でテキスタイルを専攻していたという。そこでパターン化した図形装飾が広がる文様の楽しさと美しさを感じた。
最近の若い女性に人気の、チョット古くて和の要素がある『昭和雑貨』のようなものも好きで、文様でも和柄などにも興味がある。写真を見てわかる通り、川西さんの作品にも影響を与えている。また、花が好きで、作品に花を題材にしたものが多いのが特徴だ。
大学を卒業してからも、大阪に残り宝石屋などの美術関係の職業についていたが、約十年前に津山に帰郷してきた。
帰郷した今でも、絵を描くことは大好きで、知り合いに似顔絵を頼まれたり、中には店のシャッターにデザインしたり、といったことでも活躍している。
そんな川西さん、実は、この県北で展覧会を開く話があるそうだ。詳細については、まだ具体化していないことも多いのだそうだ。
内容は、父親である『永禮直義(ながれ なおよし)』さんとの父娘二人展となるもようで、今のところ場所は、鏡野町のペスタロッチ館が予定されている。
開催は、4月になってからとなりそうなので、今後、時期が近づくと、気を付けてチェックしてもらいたい。
川西さんの作品もそうだが、特に『永禮直義』さんの作品は、先日のアットストーリーでも紹介したように、「絵を描くことが好きなのであって、見てもらうことに喜びを感じない」ということなので、作品を見れる機会は、本当に貴重なのだ。
その川西さん、展覧会の前後の4月頃から美術教室を開きたいと、開設の準備をしているのだという。
4月に弟さんの鍼灸院となる建物が完成すると、その一部を間借りして始める予定だとのこと。その教室では絵画教室だけでなく、パッチワークや着物の洋服への仕立直しなど、実生活でも使える「かわいい」美術品などを作ったり、染色や手織りなどの研修に行ってみたりするような教室も、やってみたいということ。
実現するとなると趣味の教室とは性格の異なる教室になる。
やりたいことは、絵の教室というより、美術に関する教室といった感じだろうか。芸大でテキスタイルを専攻し、素材の違いで繊維の特徴が異なるなど、布生地と文様の基本知識があるからこそ出来る、津山ではとてもユニークな教室だ。
今のところ、有料教室でと考えているそうだが、詳細はまだ決まっていない。教室を開く時間などについても同じように、まだ何も決まっていない。
4月に予定されている親子展と、同じく4月から始める美術教室に向けて、色々と忙しくしているとのこと。親子展の成功と、何と言っても、専門性の高い美術教室への新たな取り組みには興味がある。
今回の取り組みを、ぜひ成功させて、この岡山県北に新たな風を吹き込んで欲しい。