鶴山公園の桜まつりや紅葉まつりのイベントにも参加している『ばんりくん』こと川村絆凌くん。桜まつりなどで、見かけたことがある人も多いだろう。
そんな『ばんりくん』、住まいは備前市と、美作エリアから少々距離も離れているのだが、現在、津山市・美作市のイベントを中心に参加してくれている。
若干7歳の小学校2年生にして、いつも和装という『ばんりくん』。今回は、その『ばんりくんママ』のお母さん川村さんに話を聞くことが出来た。
まず、『ばんりくん』が、県南も含めて本格的にイベント参加を始めたのが、1年と少々前からと短いため、県北方面への参加はまだ少ない。しかし、この春から津山市・美作市をはじめ、美作エリアにも積極的に参加するつもりだという。
和装というと、時代劇の甲冑やアニメのコスプレ衣装となることが多いが、ばんりくんの場合は、戦国時代に特化している武将マニアとも少し違うのだ。
実は、時代にはあまり関係なく、日本に伝わる和服、和装といった服装や和文化、伝統文化などの風俗習慣に興味があるようだ。当然、アニメのコスプレ衣装を着ることもあるが、アニメの衣装を身に着けることが目的ではない。
普段の生活から、着物を着ているのだ。さらに下着は、いつも越中ふんどしを着用するといった気合の入れようだ。
また、足元は地下足袋だ。地下足袋が歴史的衣装かの議論はあるだろうが、襪から革足袋そして地下足袋と進化してきたことを思うと、気持ちは分からなくはない。しかも、学校に行くにも地下足袋を履いて登校することを許可してもらったくらいだ。
そんなばんりくん、衣装ばかりが好きなのではない。いつもご飯は、お櫃に移して膳で食べる。最近では、釜でご飯を炊いて欲しいとか、五右衛門風呂でお風呂に入りたいとか、どんどん興味を深めている。五右衛門風呂が時代的に、どのくらい古いのかの議論は横に置いても、古いものに傾倒していることが、とてもよく伝わってくるエピソードだ。
普段出かけるのは、寺社建築のお寺や神社など、日本独自の建築様式のところばかりで、特にお寺の板張りの廊下などは、ずっとその場所にいるくらいだそうだ。好きな読み物は平家物語という。
これだけ和に興味を示すにはキッカケがあった。
以前、エキストラで時代劇に出演する機会があった。その出演後から、どんどん和文化に傾倒していったという。習い事も、英会話に通っていたが、現在では英会話を止めて、剣舞と乗馬に変わってきた。剣舞以外でも神楽が好きで、高梁まで何度も行っている。
こんな一風変わった『ばんりくん』だが、皆と一緒に写真に納まったりするのは、好きなそうだ。記念撮影を求められると、すぐにポーズを決めてくれる。イベントに参加して、写真を撮られることに慣れていることが、よく分かる。
ばんりくんママは、子どもが自分から、好きでイベントに出演しているのはよく分かるので、出来る限り応援したいとのこと。
イベントへの送り迎えだけでなく、衣装や小道具の制作なども行う。
古い着物を解いて、子供用の着物に仕立て直す、また段ボールやボール紙と紐で甲冑を作るなど大変な作業をこなしている。
ばんりくんママとしては、和裁を習っていたことが助けになっているそうだ。子どもと話しながら、生地選びをしたりすることで、コミュニケーションをとれる。
それが、楽しみでもあるのだ。
元々、歴史とかは、それ程好きではなかった『ばんりくんママ』。子どもと一緒に、日本文化や日本の歴史を勉強しながら、どこに行くかなどを決めているのだという。
知識の吸収が早い子どもについていくのは大変だそうだ。「子どもに置いて行かれないように必死に勉強してますよ」とのこと。
そんな『ばんりくん』、苦手なこともある。中でも、今の子供が得意そうな、ゲームやスマホなどは苦手で、SNSでの発信もばんりくんママの役目だ。今は、Instagramに投稿している。イベントで写真を撮り、子どもの意向を第一にどの写真を公開するかを決めて、相談しながらコメントを作成して投稿作業をするという手順だ。
SNSへの投稿は、ばんりくんの認知度アップばかりか、岡山県の良いところをPRすることにもつながり、さらには、自分自身も岡山県の良いところを認識できる。
ばんりくんの活動がなければ、知らなかった岡山県の歴史的な文化や風習も知ることが出来たりと、岡山県内についての見識も変わった。
冒頭に書いたように、今年から、県北の美作エリアにも積極的に登場したいとのことなので、こんなイベントに来て欲しいなどの希望があれば、ばんりくんと仲良しの、紙芝居おじさんに伝えれば、ばんりくんママに繋がるので、興味があるイベント主催者さんは、是非連絡をしてあげて欲しい。