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蛻変(ぜいへん)

僕がまだ夜だった時の話さ

それはそれはすごく暗くて寂しい場所だった
僕は独り目の前の暗間を平らげた
すると身体の奥の方がムズムズと疼いて
得体の知れない身動きも取れないものが現れた

誰も知らぬ孤独な刻
逃げることも許されずに
ラッタッタッタ 心を固め
ラッタッタッタ 歌に変えたら

胸の痛み解き放した
硬い背中突き破った
志は羽となって
僕は闇に歌った

昔々子供の頃に描いていたのは
こんな狭いところでジメジメすることじゃない
恐る恐るまだ柔な手足を動かして
もがきながら意地悪な色の壁を突き破った

残してゆく蛻の殻
宿命すら抜いで捨てて
ラッタッタッタ 背中の羽で
ラッタッタッタ リズムを取って

闇に羽音轟かせた
未知の望み求め飛んだ
絵空事は今となって
僕は君に歌うよ

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蛻変 ~其の一~

 今回は蛻変(ぜいへん)という曲についてのお話です。「蛻変」は2015年の6月にリリースしたアルバムのタイトル曲にして一曲目に入っている曲になるのですが、この曲が出来るまでにはある経緯がありまして、当時僕は米子のワンメイクというライブハウスによく歌いに行っていて、そのワンメイクのオーナーでピコさんというまるで妖怪のような稀有な人がいるのですが、ある時そのピコさんと話していて、僕が大好きなオオクワガタのことを熱く語っていた時に、ふとピコさんが「ゼイヘン…」と、日本語とも思えない初めて耳にする言葉を呟きました。そのときの僕があまりにも生き生きとオオクワガタの話をしているのを見て閃いたらしく、そこからアイデアマンのピコさんのでたらめな妄想のような話が始まりました。

 もともと蛻変というのは、昆虫が卵から幼虫、幼虫から蛹、蛹から成虫へとどんどん姿を変えていくことをいうのですが、アリエヌ★レコードというこれまたでたらめなインディーズレーベルを主宰していたピコさんは、僕の曲で古い曲(幼虫期)、当時よく歌っていた曲(蛹期)、これから作る新曲(成虫期)、と3種類に分かれた曲達を集めて一枚のアルバムにして、そして成虫曲の一曲として「蛻変」という曲も作ってみたらどうかという企画を思いつきました。さらに妄想は止まらず、これから一年後に津山の文化センターでアルバムリリースの弾き語りワンマンライブをしたらどうかと、しかも1000枚のチケットを全部ひとりで手売りで売り切ったらどうかと言うのです。

 このでたらめな会議をしたのが2014年6月、僕は本気?!無理じゃない?! と思いましたが、もしこれが出来たら面白いだろうなあっていう好奇心が勝ってしまい、即座にやってみる! と決断して翌日には文化センターの大ホールを予約してしまいました。その瞬間、アルバムリリースとワンマンライブ開催は2015年6月13日に決定しました。
つづく

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◆【ライブ配信版】日下輝之独唱会~其の124~◆

※8月の日下輝之独唱会は第4週目の土曜日、8月22日に変更して行います。
毎月やってきた日下輝之独唱会も今月で124回目。
コロナに負けじとライブ配信版でお届けいたします。
日下輝之独唱会はしばらくの間、くさかのモダン音楽室からYouTubeの
【くさかのモダンチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UClEnzuj1DeJXlnfJ54MNxZg
にてライブ配信版として開催いたします。
※日下輝之のFacebookからも同時配信いたします。

【日   時】 2020年8月22日(土)
        開演 19:00
【出   演】 日下の兄弟デュオ
【会   場】   YouTube くさかのモダンチャンネル

【お問合せ】
    TEL 090-2666-3182
    info.kusakateruyuki@gmail.com
    日下輝之音楽事務所

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