作州忍び衆 『くノ一忍者ともちピンク』
津山城の桜まつりや紅葉まつり、湯郷温泉郷のイベントなどで、いつも写真の記念撮影に応じるなど、人気となっているピンク色のコスチュームを纏った忍者が『ピンク忍者ともち』。美作地域で活躍している観光忍者組織の『作州忍び衆』の一員だ。
普通、忍者といえば、黒色の忍び装束にスラッとした鍛えられた身体に、物静かで鋭い眼光といったイメージがあるが、『くノ一忍者ともちピンク』は全く異なる。
衣装はもちろんだが、ポっちゃとした身体に、ほんわかした雰囲気のまったりトークは、これまでの忍者のイメージを全く覆したキャラクターとなっているのだ。
設定キャラは、公共放送の5歳の女の子のように年を取らない永遠の20歳、親しみやすさが売りの癒し系忍者、いつも小さな子どもたちが周りにいる、愛され系のゆるキャラだ。
作州忍び衆として活動を始めて3年目となるのだが、実は、彼女は美作地域在住ではない。広島県は福山市に住んでいて、イベントごとに毎回、ボランティアで美作地域まで来ている。作州忍び衆の仲間の家に泊まる事もあるが、福山から朝5時過ぎに起きて来ることもあるそうだ。
そこまでして、『作州忍び衆』の活動をしているのは、「来た人に楽しんで欲しい」からだという。
きっかけは、福山市の手しごと市で知り合いの人から誘われて、作州忍び衆が参加する倉敷のイベントに行った際に、いきなり忍び衣装を渡され「頼むよ」と言われたのが最初だったのだそうだ。そんなムチャ振りから始まった忍び活動だが、実際に活動してみると、触れ合った人たちが喜んでくれることが嬉しく楽しかったという。
活動が終わって忍び隊に誘われると、ピンクの装束にして欲しいとリクエストするまではまり込んだのだ。早速ピンクの衣装を作って貰うと、毎回イベントへ通い始めた。
津山城での桜まつり、紅葉まつりでの活動内容は、忍者の格好をして記念写真を一緒に撮ったり案内をするなどが主。
記念写真を撮る際に、刀を抜いてポーズをとると「ゆるキャラ」イメージが一変し、様になるし収まりもいい。この辺りが人気の秘訣なのだろう。
湯郷温泉郷での活動では、『ふわふわ手裏剣』投げのイベントを担当した。ふわふわ手裏剣は、20センチ程度の大きさで布とクッション素材で作られた手裏剣。当たっても怪我をすることはない。
子どもたちをに投げてもらい、かごに入るとお菓子をあげるという内容のイベント。「でも、外れてもあげるんですけどね」ということで、子どもたちに大人気のイベントなのだそうだ。最近では、子どもたちが『ともち、ともち』と、わざわざ探してきてくれることが嬉しいとのこと。
実は、『忍者ともちピンク』として、昨年、写真集を出したのだ。出版は電子版のみだが、アマゾン、Kindleで販売している。
この写真集を出したのも、少しでも『作州忍び衆』を知ってくれて興味を持ってくれる人が増えたらいいなという思いからだそうだ。3年間撮りためたものを、まとめてあるのだという。
他にも、SNSのTwitter、Instagram、Facebookでの情報発信も、小まめに行っている。
忍者の活動を知ってもらえるように頑張っている。
イベントで津山に行った際に、殺陣の練習もしてもらっているのだが、まだ人前で披露できていないという。
桜まつりなどで、できれば京都の映画村のような殺陣ショーができるようになりたいのだそうだ。
わざわざ県外から美作地域を盛り上げるために、遠征して来てくれることに感謝しかない。
多くの子どもたちに親しまれ愛されるキャラクターとして、殺陣ショーの実現も含め、さらに、活躍の場が広がることを願って、この記事を締めくくることにする。
ありがとう『くノ一忍者ともちピンク』。