アットタウンWEBマガジン

日下輝之独唱欄

「思い出未来」

秋の夜に寂しくて
少し肌寒い夜だから
あたたかい毛布が恋しくて
思い出の中にもぐりこんだ

誰かの言葉じゃもの足りなくて
よくある慰みが虚しくて
新しい世界が見たいのに
思い出の中で探していた

悲しみや寂しさとか
誰もが持ってる気持ちを
僕のこの拙い言葉で紡いでみたい
そしたら僕の寂しさも
少しは紛れるでしょうか
どこで何をやっていても
思い出してしまうのです

どこか遠くに行きたくて
遠くがどこかも知らなくて
近くにある僕の手は
思い出の中もつかめない

季節のせいじゃなかったみたい
小さな声で話してた
大きな夢はそのままで
思い出の中で未来になった

どんなに思っていても
叶うことのない気持ちを
持ち続けていくことが
思い出になればいいのに
そしたら僕の寂しさも
少しは紛れるでしょうか
どこで何をやっていても
思い出してしまうのです

優しい涙が流れる
君のやわらかな頬に
思い出すだけじゃなくて
今も触れていたい

©️kusakateruyuki




蛻変 ~其の八~

 今月の詩はアルバム『蛻変』の9曲目に収録されている「思い出未来」という曲の歌詞です。この曲はアルバムの蛻変というコンセプトとしては蛹の時期に当たる曲です。蛹の時期に当たる曲はアルバム制作の企画が持ち上がる数年前に作った曲たちで、成虫になるためにひ弱な状態の蛹だけど力強く潜んでいるような、ある意味一番面白い雰囲気を持っている曲かもしれません。

 この歌詞を書いたときは特に歌詞を書くぞ! みたいな感じで書いたわけではなかったのですが、10月頃だったかな少し肌寒さを感じた瞬間があって、夏の終わりと秋になった実感の中で、その肌寒さが失恋をしたときのような感覚とリンクしてするっと書きあがりました。タイトルは後から決めたのですが、内容と共に割と気に入っていて、あんまり気合を入れずに自然に出来た作品の方が自分としては好きな曲が多い気がします。

 そして、日下輝之の一世一代の大挑戦は苦しいトンネルをようやく抜けようとしていました。6月13日のコンサート当日に発売を開始する最新アルバム『蛻変』のレコーディングをCDの発注やもろもろの準備の猶予を考えると割とギリギリの3月末に終えることが出来ました。実はまだ痛みは若干残っていたのですが、薬を飲みながらの決行でした。レコーディング場所は、このアルバムのプロデューサーでもある鳥取県の米子市のライブハウスのオーナーPicoさんのお店でした。そのお店『ワンメイク』は自然の響きがすごく良くて、一発取りの録音にぴったりでした。実は12曲を一日で取り終えたのですが、ほぼワンテイクで終わりました。ワンメイクに染み付いた音楽の響きの歴史が僕に力を与えてくれたように思います。さて、残すところ約2か月半、チケットはまだまだ残っています。どうなることやら。
つづく




毎月第3土曜日に行っている日下輝之独唱会も2021年6月で134回目。コロナに負けじとライブ配信版でお届けいたします。
日下輝之独唱会はしばらくの間、くさかのモダン音楽室からYouTubeの
【くさかのモダンチャンネル】
 https://www.youtube.com/channel/UClEnzuj1DeJXlnfJ54MNxZg
 にてライブ配信版として開催いたします。
 ※日下輝之のFacebookからも同時配信いたします。

【日下輝之独唱会~其の133~】
【日時】2021年5月22日(土)
     開演 19:00
【出演】日下の兄弟デュオ
【会場】YouTube くさかのモダンチャンネル
※5月は第4土曜日の開催になります。

【日下輝之独唱会~其の134~】
【日時】2021年6月19日(土)
     開演 19:00
【出演】日下の兄弟デュオ
【会場】YouTube くさかのモダンチャンネル

【お問合せ】 日下輝之音楽事務所 TEL 090-2666-3182
E-Mail:info.kusakateruyuki@gmail.com

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