ナキムシ
泣いてる君の頭に
止まってた止まってた
鳴かないトンボ飛んだら
明日天気になあれ
流れ出した涙の
川下で待っている
悲しき日々を越えた奇跡たちよ
泣いてる君の瞳に
写ってた写ってた
逃げないトンボ捕まえて
僕の心預けた
すくい上げた記憶の
片隅で笑っている
締麗なままで消えた奇跡たちよ
泣いてる君の心に
止まってたあのトンボ
泣けない僕の涙は
君が流してくれた
溢れ出した優しさが
時を越えて届いた
愛しいままに泣いた奇跡たちよ
愛しいままに泣いた奇跡たちよ
蛻変(ぜいへん) ~其の十~
今月の詩は、アルバム『蛻変』の11曲目に入っている「ナキムシ」という曲の歌詞です。この曲はアルバムコンセプトから言うと、成虫期に当たる曲です。アルバム用の最新曲を作っていた時期に、ある野外ライブに出演したのですが、そのときに当時いつも被っていたボーラーハットに大きなオニヤンマが飛んできて止まってくれたことがありました。そのタイミングがすごくて、すでにライブで歌っていた昆虫を題材にした曲の「蛻変」を歌い終わった瞬間に飛んできて止まってくれたのですが、その次に結構身体も動かして歌うこれまた昆虫の曲の「愛に飢えた恋の華」という曲を歌い終わるまでずっと止まってくれていて、その曲を歌い終わるとスッと飛んで行ったそうです。
飛んで行ったそうです。というのも、ライブ中の僕はそのことに気付いていなかったのですが、当日一眼レフのカメラを持参していた友人が、最高の写真を撮ってくれていて、オニヤンマが来たタイミングも教えてくれました。なにしろ昆虫好きの僕としては、このことが嬉しくてたまらなくて奇跡にすら感じていて、昆虫が止まり続けてくれることや、トンボのことも改めて色々調べました。そうしているうちに出来上がったのがこの「ナキムシ」でした。止まり続けてくれることをラッキーチャームという縁起が良いことだったり、昆虫の中でも強くて前にしか進まないトンボは昔から縁起の良いものとされていることも分かりました。
これは、当時チケットの単独手売りの真っただ中だった僕にとっては大いに勇気をもらえる出来事でした。そんな色々な奇跡が起こりながらのチケット販売は、とうとう残り一枚になりました。本番当日まであと3日という日に、僕はそのチケットを僕のライブを一度もまだ観に来てくれたことがなかった父に渡しました。当時父は癌を患っていて、僕は一度でも良いからライブを観てほしかったし、さすがにこの1000枚目なら来てくれるだろうという思いを込めて、「俺売り切ったよ、来てんな」って伝えて渡すことができたのです。それもこれもそれまでにチケットを買って下さった皆さんのお陰だなって実感した瞬間でもありました。
つづく
◆【ライブ配信版】日下輝之独唱会 ~其の136,137~◆
毎月第3土曜日に行っている日下輝之独唱会も2021年9月で137回目。コロナに負けじとライブ配信版でお届けいたします。
日下輝之独唱会はしばらくの間、くさかのモダン音楽室から
YouTubeの【くさかのモダンチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UClEnzuj1DeJXlnfJ54MNxZg
にてライブ配信版として開催いたします。
※日下輝之のFacebookからも同時配信いたします。
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【日下輝之独唱会~其の136~】
【日時】2021年8月21日(土)
開演 19:00
【出演】日下の兄弟デュオ
【会場】 YouTube
くさかのモダンチャンネル
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【日下輝之独唱会~其の137~】
【日時】2021年9月18日(土)
開演 19:00
【出演】日下の兄弟デュオ
【会場】 YouTube
くさかのモダンチャンネル
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【お問合せ】 日下輝之音楽事務所 TEL 090-2666-3182
E-Mail:info.kusakateruyuki@gmail.com
※予定は変更になる場合がございます。詳しくはお問合せ下さい。