ちっぽけなうた
素敵なうたを新しいうたを
君に君に君に捧げたくて
作ってみたけど
何と無くこんな
ちっぽけな歌になっちまった
素敵な君にふさわしいうたを
今夜今夜今夜見つけたくて
探しに来たけど
まるで意味ないのさ
君がいなくちゃ何も始まらない
だってしょうがないだろ
君のことばっかり
俺は毎日うたっているのさ
本当に幸せなんだよ
素敵なうたを新しい君を
早く早く早く届けたくて
歌ってみたけど
しっくりこないんだ
作ったものじゃ太刀打ちできないよ
だってしょうがないだろ
俺は馬鹿だけど
君が毎日笑ってくれたら
本当に幸せなんだよ
素敵なうたを新しいうたを
君に君に君に捧げだくて
作ってみたけど
何と無くこんな
ちっぽけな歌になっちまった
ちっぽけな歌になっちまった
蛻変(ぜいへん) ~其の十一~(終)
今回の曲はアルバム『蛻変』の最後に入っている「ちっぽけなうた」の歌詞を紹介いたします。この曲は蛻変に収録している曲の中では一番最後に作った曲です。アルバム用の新曲作りが一段落付いた後にできた曲なのですが、僕はとにかく寝ても覚めても歌のことばかり考えているような暮らしを何十年も続けていて、というかそれが当たり前になっていて、それは曲作りに関しても同じで、だけど結局僕の心の中や自然界に元々ある「うた」というものには、どんなに必死で作っても、頭で考えたような人工的な歌では太刀打ちできないなあ、という気持ちを曲にしたものです。
時には制作過程で煮詰まることもありましたが、僕はやはり歌が好きで歌うことも大好きで、人間が誰でも平等に扱えるこの歌という魔法に身を捧げて生きてきました。そんな日下輝之の人生の一部を注ぎ込んで出来たのがアルバム『蛻変』で、そしてそれを締めくくる曲が「ちっぽけなうた」でした。
アルバム制作と並行して続けてきたコンサートの方の『蛻変』も、1000枚のチケットも完売し、当日までのあらゆる準備もなんとか終えて、無事に当日を迎えることが出来ました。
当日は大切な友達たちで編成されたスタッフチームが大活躍してくれました。市内外、県外からも沢山のお客さんが来てくださいました。オープニング&エンディング映像は、チケットを手渡すときに撮らせてもらったみんなとの記念写真を素材にして作ってもらったものを流しました。オープニングDJ、影アナ、照明、音響、みんな僕の心意気に無償で名乗り出てくださいました。多くの友人、中学高校の同級生、恩師、そして家族も、もちろん父も応援に来てくれました。そして、僕はひとりステージに向かいました。
『蛻変』プロジェクトを終えて僕が実感したのは、人生とは自作自演の壮大な映画のようなものだということでした。もちろん多くの人たちの真心に包まれながらの。
終わり