アットタウンWEBマガジン

短歌の優劣の評価について

「どんな歌が良い歌なのだろうか?」「いい歌の基準はあるの?」歌を詠んだ事がある人の多くが、一度は疑問に思ったことがあると思います。
歌の優劣を決定する明確な基準は、実はないようなのです。
では秀歌と呼ばれる歌が存在したり、歌会などの詠進の中から、選ばれる歌があるのは、なぜ?と思うでしょう。
私自身も、「その時の雰囲気で適当に選んでいるの?」「基準が無かったら主観でしょ?」そんな疑問を感じていると実際に聞かれたこともあります。
たとえ主観だとしても、何か基準があるはずです。そこで、今回は歌の優劣の基準的なところについて、調べたことを書いていきます。

 まずは、3つの要素が選定の対象になる事が分かりました。ただし選定対象の要素であって、良し悪しについては、やはり主観ではあるのでしょう。
 現在の短歌では、歌を詠む際に、写実性が最も重要視されているようです。写実性とは一言でいうと、歌を見るだけで、あたかもその場にいるかのように、風景が見えてくるようなものです。
いつ、どこで、誰が、(何が)どのようなことをしている(どのようになっている)ということが、見ただけでイメージできる歌が写実性の高い歌なのです。
ただし、写実性がいくら高くても歌を詠む対象に芸術性があることも求められるのです。
では写実性だけが、評価の対象かといえば、そうではないのです。
写実性に次ぐ要素として、韻律というものを評価します。
韻律を辞書で調べると、 ”韻文における音声上の形式。音声の長短、アクセント、子音・母音の一定の配列のしかたなどで表す音楽的な調子。また、俳句・和歌など、音数によって表すものをもいう。リズム。“ となっています。
さらに分かり易く説明すると、「声に出した際に音のバランスがいい」ということになります。
これは歌合や披講会など、声に出して詠む場合などでは、特に重要視される選定基準だそうです。
そして、最後に上げるのが技法となります。技法は短歌コーナーの復活に合わせて、歌について色々と書いて来た当初に説明しています。
具体的には、連想できる言葉を集めたり、シャレを入れたりするなど、エンターテイメント性を高めるために使います。
大まかには以上の要素の出来、不出来で、短歌の優劣を決めることになっているようです。
どこをどう評価するかが分かれば、明確な基準がなくとも、秀作とされる歌と駄作とされる歌の違いは、何となく見えてくるはずです。
ただし、これは最近流行している現代短歌の中でも、若者短歌、SNS短歌と呼ばれるものには当てはまりません。これらの短歌は、感情面や内面を全面的に押し出したものが多く、旧来の選定要素と全く異なる評価の仕方となっているようです。

以上、簡単ではありますが、短歌の評価について調べてわかったことを、書きました。
これを参考に、矢野先生の歌壇を見て頂ければ、さらに短歌の面白さが広がると思います。

関連する情報

人気記事

新着記事