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山野草と共に暮らす

 山野草に魅了されて二十年が過ぎた。
 私は福岡県久留米市の生まれで、三十二歳の時に夫の郷里の津山市に越してきた。街中で育ったので、何もかもが珍しかった。山に囲まれた盆地で自然豊かな津山市、しかも住んでる地域は田んぼや畑が多く、加茂川の清流があり四季の移ろいをとても身近に感じることができる。戸惑うこともあったが、(郷に入りては郷に従え)で徐々に慣れていった。
 子供が自立した頃山野草に出会った。清楚で可憐で奥ゆかしい山野草が大好きになり愛好会に入った。絶滅危惧種や高山植物などの珍しい植物、岡山県だけでも色々あり夢中になった。今は会も無くなり、世話のできるだけに減らしている。庭に地植えしたり鉢植えをして花に癒されながら暮らしている。春や秋には庭中に次々と花が咲きだす。毎朝起きて庭を一回りするのが楽しみだ。




 四月末、岩チドリが小さな蕾をつけピンクに色づいてきた。エビネもすっと伸びた茎にかわいい花をたくさん付けている。五月までは一年で一番山野草を楽しめる、心のはずむ季節だ。

(投稿者・津山市 のの花さん)


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