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ボランティア劇団・劇団さくら団地のみなさん

津山市長感謝状(社会福祉功労団体)受賞おめでとうございます

劇団さくら団地は、この秋おおいそがし。美作地域を中心にいろいろなところで、昨今社会問題になっている特殊詐欺や、各地で被害をもたらせる災害に関すること、ご近所や地域などで助け合う大切さをうったえ、季節の出し物としては食中毒予防などの啓発も行う。
11月には津山市内で3カ所の公演を行い拍手喝采だった。




色々な人が暮らしている団地のように


「さくら団地」のコンセプトは、「のんびり行こうよ、大切なものを見失わないように」。
老若男女、健康な人病気がちの人、障害のある人、心の病気を抱える人、色々な人がいる団地のように、様々な個性の人が集うところ、という意味で名づけられた劇団名。
劇団の人たちは、一人一人の得意な分野を生かして、大道具、小道具つくり、配役、裏方など様々な場面で輝いている。

劇の初めの挨拶担当の小坂幸司さん(津山市)は視覚障害を持つが、とてもおおらかな劇団のお父さんだ。
今では、小坂さんの「~みなさん楽な姿勢で楽しんでください」という言葉で観客をリラックスさせている。




劇団員と地域の人たちが出演者


三大主役のひとり、西口厚子さん(美咲町)は「せりふを覚えるのが大変で、毎回緊張しますが、衣装や小道具などこだわりを持っているので、演じていて楽しいです」と娘役や悪者の親分役など多彩に演じる。

西口さんの相手役の武本正博さん(津山市)は、情けない夫や子分役を楽しんでいる様子で「優柔不断なせりふを言ったり、しぐさをするとお客さんがとても喜んでくれるので、どうしようもないダメ男を演じています」と言うが、劇団の中ではマイクなどの設定も担当。

そして看板女優の、さくら花を演じる座長の佐々木政子さん(津山市)は「私たちの自慢は仲間の和が良いことです。何でも言える間柄だから話し合いながらできていると思います、急なアドリブも和があるのでとっさに対応します」と笑顔。
花さんの演技やアドリブは、会場を巻き込み笑いを誘う。腰を曲げて歩く花さんに話しかけられると観客も皆出演者で、一体感を持てるのがさくら団地のいいところ。
「大笑いすることがないので、久しぶりにおなかを抱えて笑いました」との評価がもらえることも。

啓発の劇では地域の専門家や愛育委員、保健師に手伝ってもらいながら勉強していくようにしている。
先日津山市久米地域の大井東ふれあい学習館で行った防災劇「あなたならどうする」では地域担当の津山市健康増進課の浦上雅彦保健師が、ハザードマップの説明や「買いおき」などを勧めるなどして観客は熱心に聞き入っていた。
また同市勝北地域では愛育委員の生末洋子さんが非常持ち出し袋などの説明をした。





レパートリーは多彩だが答えを出すのは観客

出し物のレパートリーは劇をはじめ、絵巻物を使った朗読劇、漫才風の掛け合いなど多彩で、台本は自分たちで作る。
得意な分野は「地域での助け合い」。
コンセプトにある「大切なものを見失わないように」は家族や、地域、人と人とのつながりを大切にしようというもの。

「少し認知症の症状がある、主人公の花さんを取り巻く人たちの人間模様を見ていただき、見た人がそれぞれに答えを持ち帰ってくれればうれしいです」と佐々木さん。
さくら団地は、面白おかしく、どこにでもある事例を演じるが、答えを出すのは観客。
決して押し付けず楽しく問いかけをしていきたいと団員一同の気持ちだそうだ。





チームワークは抜群

団員は皆仲が良い。
年に一度の研修旅行に行ったり、レクリエーションの会を行ったり、練習中も笑いが絶えないという。
「皆忙しくて、全員そろって練習することがなかなかできない状況です。
練習とは違うアドリブが本番で突然出たりしますが、皆それぞれ合わせながら楽しくやっています」と裏方で頑張る小坂恵子さん(津山市)。
効果音担当の大内文江さん(津山市)は「効果音は責任重大で緊張しますが(私失敗しないので)の気持ちでやっています」と力強い。
最近入団したナレーターの影山清美さん(津山市)は「楽しく笑いながら学べる劇団に入ってよかったです」新しい団員も増えさくら団地は、まだまだ進化しそう。

10月に行われた津山市福祉大会で劇団さくら団地が市長感謝状(社会福祉功労団体)を受賞した。
「今まで劇団に携わってきた人たちに感謝しながら感謝状をいただきました。これからも劇を見た人たちに喜んでいただける劇団でありたいと思っています」。




劇団さくら団地の公演依頼は、津山市社会福祉協議会に問い合わせてみてほしい。

この記事の問い合わせは、ライター武本まで。

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