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県北にバイクレースをみる楽しさを広めたい

バイクレーシングドライバー 松岡玲さん

 つい最近まで真庭市に在住していた松岡さん。
真庭市在住の人は、警察のポスターなどに起用されていたので、知っている人も多いと思うが、世界の頂点を目指し活動する、日本国内でも将来有望なレーシングライダーとして注目されている。





バイクレースは、アマチュア・レーシングライダーでならしたお父さんの影響から、わずか4歳の頃から始めたそうだ。物心ついたころから、バイクに乗っているという感覚のようで、幼い頃から土日になれば、バイクに乗るのが当たり前で、広島や姫路をはじめ、遠くは大阪や山口辺りの各地のサーキットまで練習のため、遠征を繰り返すというバイクの英才教育漬け生活だった。





 始めてバイクに乗ったのが、ポケットバイクというもので、モンキーバイク程のサイズで30ccのハイパワーの刈払い機と、同じ排気量のエンジンが搭載されているという。
そのポケットバイクだけで争われるポケットバイクレースに、わずか5歳の頃から参戦を始めた。
日本で始まったポケットバイクレースは、出身者からワールドチャンピオンなどGPレースで活躍する選手を多数輩出するなどしたため、現在では世界中に広がり、多くの国でポケットバイクレースが開催されているということだ。
レースでは、大人から子どもまでが一緒に走る。経験や体格に大きな差がある中で揉まれる。例えば、レースの駆け引きや、意図的には見せない接触など、長年レースを続けることで得られるテクニックを持った大人と競り合う事によって、対処法など、様々なことを身に付けて行く事も多いとのことだそうだ。




 レースは、近くだと一泊で遠征したり、遠くは関東のレースでも金曜日に学校を休むだけという強行スケジュールで遠征を繰り返したという。レースを行う松岡さんもタフだが、運転からサポートまで、全て行ったお父さんのタフさに脱帽しかない。
そんな、松岡さんの初めての優勝は、10歳の時。そして、その後も順調に才能を開花させていった。
初優勝の時は「その時の気持ちは、よく覚えてないが、嬉しかったと思う」ということ。その後も、全国のポケットバイクレースで幾度となく優勝を飾るなど安定的な成績を残し、翌年にはポケットバイクを卒業し、ミニバイクレースへと活躍の場を移すこととなる。
ミニバイクはポケットバイクより、排気量が少し大きくなり50cc~125ccまで、市販の原付から小型バイクを使うレースで、バイクの車体も大きくなる。
ここからが本格的なバイクレースとなるのだ。




ステップアップから2016年まで、優勝できそうで、できない時期が続いた。
それも2016年の中学3年生の時に初優勝を飾ると、その年のシリーズで2位となり、翌年の2017年には、ロードレースと呼ばれるプロレーサーも含めたレーサーたちが、競う世界で250ccのバイクに乗ることこととなる。
その間、タイヤマネージメントを含めたレース全体のマネージメントの重要性と難しさに気付いたという。
レースのマネージメントは、相手との駆け引きも有るため一筋縄ではいかず、事前の予測が外れた場合は、その時々の選択肢から最善を選択をする必要があるのだ。
そして事前の予想通りに、全てが流れることは、まずないという。
しかし、そこで相手より勝ることが、何より重要だということを、身をもって体感したのがこの時期だった。





 そして、2019年には250ccの全日本ロードレース併催MFJカップJP250(N)でシリーズチャンピオンを獲得などの活躍をし2020年のシーズンから、現在の600ccのクラスにステップアップすることになった。
YAMAHAの育成ドライバーとして、名実とも将来を期待される存在となっている。
 昨年は、コロナの影響で、海外転戦組が帰国してエントリーをしたことで、様々なことを海外の高い次元で走った人から吸収することができたという。
今年から、名古屋に居を移して活動するということで、飛躍の年になることが期待されている。
真庭市から離れはするが、地元の「期待」や「思い」を忘れるわけではない。バイクレースの世界で岡山県北を代表しているという思いを、強く持って戦っていくつもりだという。今後も、地元を大切にしながら、世界を目指して活動を続けていくという。





 そんな松岡さんの今の目標は、グランプリレースMOTOGPで優勝すること。すなわち世界のNo.1になるということだ。
現在でも若い世代の日本人が参戦し、海外勢と上位を争っているのだ。
このことからも、遠くを見るような夢ではなく、一歩一歩を大切にしながら経験やテクニックを磨くことで、達成できる将来の目標として、しっかりと見据えているのだ。
そのためにも、今年の全日本ロードレース選手権での優勝を目指して活躍して欲しい。
そして、県北のスターとして凱旋してくる日まで、みんなで応援し続けたいものだ。

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