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能登半島地震発生時の震災対応について(全4回)第2回

衆議院議員 内閣府大臣政務官 兼 復興大臣政務官 平沼正二郎氏 寄稿

「初動72時間」という言葉があります。これは災害発生から被災者が救助されるまでの時間が72時間を超えると、生存率が大きく下がる現象を指しています。まずは人命救助を最優先で行う事に専念し対応に当たって参りました。警察、消防、自衛隊などが全力を尽くし対応にあたったわけであります。家屋倒壊も多いですし、一面が火事で焼けた地域、津波被害にあった地域など、様々な被災状況でありましたが、一箇所一箇所において懸命な救助・救援活動が行われました。細かい話ですが人員の投入ももちろんですが、捜索犬も全国から投入され力を発揮しておりました。一部当初は初動の人員派遣数が少なすぎるなどの報道もありましたが、これは先ほど書いた通り、被災地域へのアクセスがかなり限られており、一度に大量の人員を投入してしまうとかえって無駄な滞留を発生させてしまい、現場の混乱をきたすことからスムーズに被災地に入ることが出来るよう配慮した結果であります。例えば熊本地震などでは被災していない周辺からのアクセスルートが複数ありましたので、今回の能登半島地震のようなケースではありませんでした。アクセスが限られる地域においての国土強靭化が非常に重要であることを改めて実感しました。
その後はインフラの状況確認と復旧にあたるのですが、主にインフラというのは道路、電気、通信、水道の4点になります。現在はまだ復旧を進めておりますが、水関係の復旧に時間を要しました。水はまさにライフラインでありトイレ、お風呂、洗濯など生活に欠かせない要素であり衛生環境にも直結いたします。全国から給水車を手配して給水対応及び自衛隊の給水車も活用して支援を行っておりました。さらに運搬が可能な、海水を飲み水にまで浄化できる、小型浄水場のような設備を設置もいたしました。また新たな技術である水循環型のシャワーや手洗い設備の導入なども行いました。(これらは排水の98%以上を再生して循環利用できます)
災害時対応として災害対策基本法があり、自治体においては地域防災計画等が作成されておりますが、今後は指定避難所などの設備としてこのような新技術も利用した機材をあらかじめ準備しておくなどの検討をしても良いのではないかと感じております。このあたりは今回の震災の振り返りでしっかりと検証してまいりたいと思います。

(次号へ)

※このコーナーでは『平沼正二郎』氏の寄稿文を、原則、原文のまま掲載しています。

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