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重病を治し恵みの雨をもたらす天女

衆楽園の七面祠・津山市山北編 

龍の化身と言われる七面天女は、日蓮宗系の水や雨、滝にまつわる女神。
建治3年(1277)日蓮聖人(にちれんしょうにん)が山梨県の身延山において説法している時美しい娘がどこからともなく現れ、静かに座につき合掌礼拝し熱心に聞き入り、聖人に身延沢の水をいただき龍の姿になったと伝えられている。
その後身延山の鬼門の七面山に住み鬼門を守る御法神となり人々の心に安らぎと満足を与える神として崇められる。



津山藩は元禄11年(1698)から廃藩置県まで松平家が治めていたが津山城内、厩堀近くに七面天女がまつられていた。
廃藩置県後も津山に残った松平國忠家老の娘が重病にかかった時のこと。
國忠は娘のこと大変気にかけていた。
ある日七面天女が夢枕に立ち「私をどうかていねいに祀ってほしい」とお告げをした。
津山城内の七面天女は放置された状態だったが國忠がお告げ通り邸内(衆楽園)に手厚く祀り祈りを捧げるとたちまち娘の病が平癒したという伝説がある。



津山城内で濠の守り神として祀られていた天女は衆楽園へ、そして当時の横山村に移され干ばつの時雨乞いの神として大切にされ飯田家の子孫が守り続けている。



龍神・池の神とされる七面天女は、津山において数奇な転祀を繰り返し祠は数多くの不思議な現象や恵みの雨をもたらし、現在もひっそりと津山藩邸内・衆楽園の池側にその姿を時間(とき)の流れと共に見守っている。



歴史監修・和仁隆明(津山市在住)


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