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まちの電気屋さんはシャイでロマンチスト

有限会社 ジョイ津山 杉山圭司さん

杉山さん、本当に電気店が好きなんですね。

まちの電気屋さんは電化製品の話ばっかり。
「僕、本当に何もないんですよ。趣味だとか楽しみだとか」。

津山市小原に電氣館JOYを構える、有限会社ジョイ津山の杉山圭司さんは、「まちの電気屋さん」を復活させようと一生懸命だ。




「電化製品をどこで購入しますか?」と私が質問を投げかけたら・・・「家電量販店の~電気」と答える人も多いだろう。
在庫も豊富で人気の商品がすぐ手に入るから? 
また「私はネットでポチっとするよ」という人も多いだろう、パソコンとにらめっこして「ポチっと」するだけで家まで配達をしてくれる。
画面で商品を見て、人の書いたレビューを参考に購入する。

「若い人には私たちのような小売りは、入りづらい店と映るのかもしれませんね、一種のカオスなのかもしれません」決してカオスでもなく、意味不明でもなく結構楽しいところなのかも・・・まちの電気屋さん。




古き良き時代の電気屋さん

昭和30年代から40年代には、まちの電気屋さんは、憧れの的だった。
小さい頃テレビが我が家に来た日を鮮明に覚えているという60代女性は「テレビを買ったのは近所でも遅い方でした」となつかしそうに話す「土曜日で学校は半ドン。
家につくと設置は終わっていて、屋根の上に上がった人と居間にいる人が大きな声で(見える。もうちょっと)などとやり取りをしていました、アンテナを付けていたんだと思いますがその作業をしている電気屋さんがヒーローに見えました」。
それは三丁目の夕日そのもの。
そんな電気屋さんも今や、全国的に減って減って3~4万店舗あった電気店が全国で1万数千店舗にまで下がっている。




何でも屋さんでもある 

年配のご夫婦が来店「防犯カメラをつけようと思っている」と来店。
「子どもたちだと思うが悪さをされて困ってる」という。

杉山さんは、機能を丁寧に説明するとともに、設置の工程などを詳しく話す。
約20分ほどご夫婦と話し、得心のいったように席を立ったが。「通販やこう、ろくなもんがない」と言い放ったご主人。
それを見送って「あのご夫婦の様子はよくわかっているから、気に入って使ってもらえるものを提案できます、相談ができる電気屋さんでいたいです。若い人たちにもいわゆる何でも屋さんのような電気屋を知ってもらいたい」と。



自分自身の事をなかなか話さないシャイな杉山さん

実は・・・楽しみがあるんです(早く言ってよ~とは筆者の声)。自身を「マイラー」というがコツコツ貯めたマイレージでアメリカへ飛び、オールド・ルート66をレンタカーで走ったことがあり、また行きたいという。
アーリーアメリカンのごつごつとした風景の中の一人旅の画像を見せながら話をしてくれる杉山さんはとても無邪気で可愛い(失礼)。キラキラと目を輝かせる。
ロバートレッドフォードかピーターフォンダみたいに開拓者時代の夢を持つ「まちの電気屋さん」は、本当はとてもロマンチストなのかも知れない。



有限会社ジョイ津山
津山市小原109
電話(0868)22|6669
(取材ライティング・武本明波)

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生活

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