勝央町の勝間田駅がある中心街から県道を北に進む。
高速道路の高架を潜って500m位のところにある『お好み焼き、鉄板焼きまんまのほっ!』のご主人、今回の『まちの社長さん』吉山定男さんを訪ねた。
実は吉山さん移住したてのほやほやである。
3月18日に移住し6月20日に店舗オープンと、オープンからまだ1ヶ月も経ってないのだ。
取材をお願いした理由も、移住したての声を聴いてみたいという個人的な興味もあったためだ。
なぜ、勝央町を移住先に選ばれたのか?非常に気になる。
移住元は広島県庄原市の川北地区。
元々も『ほっ』という店名で鉄板焼きをしており、遠方からも来客がある有名な人気店だった。
庄原市の中心街から国道432号を山間を入っていく。冬は年に何度か雪が積もる地域だ。
年齢を重ね持病等もあり、毎年の雪かきが困難になってきた。
そこで雪の少ない地域への移住を考えたのだという。
山間部の自然豊かな場所で、雪が少ない場所ということで、津山盆地が候補にあがったとのこと。
移住にあたっては、美作地域をくまなく見て回った。
その際の、津山、真庭、美作などの美作地域の歴史や文化自然なども、移住の決めての一つだったそうだ。
一番大きかったのが、店舗兼住宅が立地と建物両面で正に理想通りだったこと。
とはいえ、付き合いも無ければ知人もいないこの地に移住してくるのは大変だ。
「移住してきて、何も分からない状況でお店をオープンできたのは、ご近所さんや商工会、地域おこし協力隊などの勝央の人達が協力を惜しまず、暖かく迎え入れてくれたおかげ」そう感謝の言葉を繰り返す。
勝央に来て、仲良くなった人も多くなり、順調に地域に溶け込んでいっている。
まだ、オープン間もないため、休みの日であっても仕入れなどの仕事ばかりで、勝央を楽しむ時間がないそうだ。
月に一回は、岡山市内の病院に通っていることも、それに影響している。
しかし少し落ち着いたら、やりたいことは沢山あるそうだ。
まずは、せっかく来た岡山県。美作地域は移住先を探すときに観光も行ったが、県南への観光はまだしていない。
今、最も気になっているのが、井原にある田中美術館だそうだ。
「彫刻自体の迫力も魅力だが、生き様にも魅力を感じる」のだという。
移住を機に是非、「平櫛田中」ゆかりの井原、福山を訪れたいとのこと。
「えぇっ?」井原なら移住前の方が距離的には近いのでは?と思うのですが?。
しかしそれは、移住が気落ちを切り替えるスイッチになっているとのこと。
他にも県南を色々と巡ってみたいという。
「軌道に乗るまで頑張らないと」とのこと。
そんな吉山さんの趣味は音楽。
基本は聴くことが好きなのだが、自分でもギターなど演奏するそうだ。
本人は「少し、コード何個かだけですけど」などと言うが、庄原では音楽サークルにも所属していたという。
先々は庄原に居た頃の仲間だったアマチュアバンドを呼び、お世話になった人や地元の人を招待して、店で演奏会などをしたいといった希望もあるようだ。
「移住してきてお世話になったのだから、様々な形で地域に関わり御礼をしていきたい」とのこと。
まだまだ、夢が広がる68歳。
これからも勝央町の吉山さんが楽しみだ。