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大聖寺(別格本山恵龍山大聖寺)

美作市の山間にあり、いつもの通りナビ任せで車を走らせます。近くまで行くと途中から道幅が極端に狭くなり、目的地まで車が通れるのか冷や冷やしながら何とか到着。
後で知りましたが、県道5号線を通ると何の苦労もなく、すぐに到着するとのこと。

さて、この大聖寺は738年行基によって開山、以来山岳仏教の聖地として「西の高野山」とも呼ばれた一大寺院でした。
豊臣秀吉の播磨上月城攻めの兵火で全焼させられたそうですが初代津山城主、森忠政により1604年に城主祈願所として再建されました。
四季折々の草花に囲まれた大聖寺は「山陽花の寺二十四か寺」の第十三番札所でもあります。原産地中国ですでに絶滅してみられないという、幻の秘花「仙翁花」が見られる貴重な寺院になります。

現在、真言宗の別格本山になっており、寺領内に1万株を超える数のあじさい園の周りの散策道をのんびり歩くことができます。
また、あじさい七夕まつりの期間中は、入山と駐車場代は、それぞれ500円と有料ですが、本坊にて美しい日本庭園を望みながら「お抹茶と和菓子」を楽しむことができます。
本尊は本堂不動院に不動明王(秘仏)、脇仏として本坊客殿に愛染明王、観音堂に如意輪観音が祀られており、本尊不動明王は33年毎の開扉になります。
あじさい七夕祭り期間中は、拝観料(抹茶・菓子付)1人500円、駐車場代1台500円が必要ですが、入山料は同年期間内は領収書を提示すれば無料で再入山できます。
予約すれば「御寺(みてら)料理」を頂くことができ、写経体験もできます。
また、大聖寺は吉川英治が小説宮本武蔵の構想を練った場所でもあり、千年杉のモデルとなったといわれる大イチョウが2本そびえ立っています。
吉川英二になったかのように、思いをはせると「小説 宮本武蔵」のワンシーンが頭をよぎります。

寺宝の『御所 御用駕籠』は長さ520糎。
歴代貫主が江戸より明治に至るまで使用したものです。
籠は、前後二人の担手を要する御所様式です。
京都御所へ往路一百里、八日間を要し二百余名を従える年二回の京都詣では、『勅使の間』奥床に配す十六菊紋の御用礼によって道中の安全が保障されていたと伝えられています。
その他、寺宝として以下のようなものがあります。
(建造物)
宝篋印塔(美作市指定重要文化財)-南北朝時代、昭和55年(1980年)10月20日指定(指定時は作東町)
金堂不動院
本坊・客殿
観音堂
(絵画)
紙本水墨「芦雁図」狩野松甫(狩野派)筆 (美作市指定重要文化財)-江戸時代末期、平成2年(1990年)2月1日指定(指定時は作東町)
御所絵巻屏風 -安土桃山時代
騎馬図(十二葉) -南北朝時代
襖絵『龍虎』狩野宗信作
襖絵『雁』狩野宗信作
襖絵『四季山水』狩野宗信作
武蔵野の画 狩野雅楽助作
武蔵野の画 狩野永徳作
(その他)
御所御用駕籠
(天然記念物)
大聖寺の大イチョウ(美作市指定天然記念物)-樹齢推定300年、昭和49年(1974年)12月1日指定(指定時は作東町)


大聖寺所在地: 美作市大聖寺1
電話: 0868-76-0001
(ライティング:星護 禄胤)

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