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津山市城西地区

 2020年に重要伝統的建造物群保存地区に指定された津山の城西地区。
城下町の西部に位置する場所となり、坪井町、宮脇町、西今町、茅町の出雲往来沿い、西寺町と小田中の本源寺部分の、約12.0ヘクタールがしていされています。
中でも、 西寺町は津山最大の寺院集積地で12ケ寺ものお寺が集まっています。
さらに、往年の江戸時代には22もの寺院が並んでいたそうです。
西寺町を歩くと、広々した空が大きく開け、解放感ある空間が広がります。




それぞれの寺院では、桃山時代から昭和までの、各時代の建築様式を見ることができます。
また、宗派によっても建築洋式が異なるので、それを見て歩くのも楽しいものです。
特に、立派な山門、楼門を構えた寺院が多いのを擁する本源寺をはじめ、岡山県の重要文化財に指定されている檜皮葺の愛染寺の鐘楼門、元々は津山城の城門だったという成道寺、他にも鐘楼門となっている妙勝寺の山門など、西寺町は見どころが満載です。





 城西地区は、この西寺町だけではなく、他にも西今町の特徴的な軒が切られて、軒先の揃ってた街並みや、明治後期から大正にかけての、モダン近代建築の建物がそうです。

 出雲往来沿いの今西町を中心とした地域の軒切りは、当時のJR津山線の終点駅だった津山口から、津山中心部を繋ぐ道沿いの建物の軒を切る事により、道を広げ、トラックなどの自動車の通行をスムーズにする目的で、昭和12年に行われました。




この、事業によって、この辺りの特徴でもある短い軒が綺麗に揃う外観が生まれました。今では、建物の表向きを改装するなどした、軒のない建物もありますが、往年の雰囲気は感じ取れることができます。
軒が短いため、道の広さと比較して、空が大きく見えるのが特徴で、西寺町の空が開けた空間と連動した雰囲気が感じられます。
構造の特徴として、街道沿いの間口いっぱいに、切妻造平入り2階建ての主屋を建て、中庭を挟んに土蔵や離れを建てりる構造となっており、京都のように、比較的狭い間口に奥行きの深い、ウナギの寝床と呼ばれる、短冊状の地割になっています。





 そして、最後に紹介するのが、明治の末期から大正にかけての華やかな面影を残した、建築物や構造物です。
土居銀行津山支店として建築された『作州民芸館』や、重伝建地区に隣接して建つ中島病院旧本館の『城西浪漫館』など。『城西浪漫館』はNHK放送の朝の連続小説「あぐり」のロケ現場としても使われ、人気のスポットとなりました。
地域の交流拠点として、賑わいの拠点として、それぞれに活用されています。




 また、西今作州民芸館から西の宮脇町の間を流れる藺田(いだ)川にかかっている翁橋も大正に鉄筋コンクリート製にかけ替えられた橋で、時代を感じさせる欄干とレンガ敷き路面に趣が感じられます。




 他にも、田町の武家屋敷・旧田淵邸の敷地に、『津山だんじり』7基を展示した施設『津山城下町歴史館』が整備されるなど、見どころも多い。
 

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