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醍醐桜

 中国地方を代表する一本桜として有名な醍醐桜。
名前の由来は醍醐桜の名でも分かるように、後醍醐天皇と関係があります。
1331年に起きた国内の争い元弘の変で、王政復古を理想とする後醍醐天皇が、京都の笠置山挙兵し、奮戦及ばず幕府軍に攻め落とされました。
その際に逃走を図ったのですが、のちに捕縛され、翌年の1332年に隠岐の島に流されることになりました。
後醍醐天皇が、隠岐の島まで移送されたルートは、京都から姫路までは船で移動し、姫路から美作路出雲街道で出雲まで陸路を移動したと、太平記には記されています。
そんな後醍醐天皇が、この地を通過する際に、当時、すでに大木であった、この桜を見て絶賛したと伝わっています。


HIROYUKI's PHOTO


 山頂に一本そびえる巨木の胴回りは、目通りで7.1m、枝張りも東西南北20m、樹高も18mとと周囲を圧倒する大きさです。樹齢は1000年とも云われ、芸術的でもある樹形は老木ならではの存在感を示しています。
品種はエドヒガン(アズマヒガン)で、お馴染みのソメイヨシノより一週間ほど早めに咲き、それより、やや小さめの花が特徴です。葉が出るより早く花を咲かすのも特徴で、葉がない桜花とということで、ウバザクラとも呼ばれます。
今でも、全国に植えられている、定番のソメイヨシノやシダレサクラも、このエドヒガンを品種改良し生まれています。
害虫に強く、全国にある老木の多くが、このエドヒガンか山桜となります。



photo青柳紀子


 醍醐桜の周りは柵で保護されて、その柵の周囲に遊歩道があり、歩いてす周囲を回ることができます。
開花時期は、道路は渋滞になるため、足に自信がある人は、遠めに車を停めてから歩いて向かう方が良いでしょう。醍醐桜休憩所付近では、地元の方々が地元特産品、土産物、ドリンクやフードメニューなどの販売をされていますので、それも楽しみの一つとなります。また 日中が仕事の方にも、日没から21時までの間はライトアップも実施されており、夜桜も楽しむことができます。


HIROYUKI's PHOTO


 豆知識として、この醍醐桜は、2003年のNHK大河ドラマの「武蔵 MUSASHI」ロケ現場となりました。
少年時代の武蔵が宮本村の桜の下で別れた、母親を待ち続けるシーンに登場するのが、この醍醐桜です。この桜が画面越しにも、見る人に力強さを与える印象的なシーンとなっています。

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