アットタウンWEBマガジン

朝ドラで登場する短歌

 終了を迎えようとしているNHK朝ドラ『舞いあがれ!』
毎朝、楽しみにご覧なっている方も多いのではないでしょうか?
空飛ぶ車の開発など、最終回が近づいても、さらに話は盛り上がって行き、最後はどうまとまるのか楽しみになります。
 ところで、主人公である舞ちゃんの夫、貴司君がまた短歌が作れず苦しんでいます。
舞ちゃんに、「短歌をやめるつもりだ」と打ち明けています。
そして、パリに旅立ってしまいます。

 この短歌が出来ず苦しむ貴司君が毎回取り上げられる事に、強い違和感を覚えています。
短歌はどんなものでしょうか?
その答えは、その時その状況を句として、言葉で切り出して表現したものです。
そうだとすると、短歌を詠むことで苦しむ必要は全くないのではないのでしょうか。
このような歌を詠むことが苦しいこと、といった誤ったイメージが定着することは、あまり芳しくないと思います。
あるがままを詠む、その際にどのような言葉で表現するか、それが歌の面白さのはずです。
とは言え、NHKの朝ドラという影響力のある番組で、主人公の夫が歌人であることは、短歌が多くの人の身近になる機会でもあり、歓迎すべきだということは間違いありません。

 そして3月14日には、これもNHKの番組『クローズアップ現代』で短歌ブームが特集されました。
『#短歌』が巻き起こした、現在の短歌ブーム。
57577のみそひともじに綴られた、現代口語たちが、我々の常識を超えた新鮮な世界を創り出しています。
今までの評価基準、今までの常識などに一切とらわれずに表現された歌の自由で伸びやかな感じが、受けているのです。
そして、それを評価する人達も、確実に変化が起きています。
様々な媒体での歌壇においても、文語体であることの評価は影を潜めています。
これは小説など、どの文学賞でも文語体の作品が消えている事を見ても、避けられなかったのは、明らかではないでしょうか。
新しい時代にあった新しい基準。そして、Twitterという、短歌と相性のいい新しいメディアと相まって、このブームが到来したのです。
皆さんは『#短歌』Twitter検索したことがありますか。
まだの人は、一度、検索してみてください。様々な新しい感覚の歌が、驚くほどのペースで続々出て来ます。
興味本位で『若者短歌』を定期的に覗いてみてください。
今までとは違う、自由を感じられると思います。



※記事内容は原稿到着時(最終回直前)のものとなっております。

関連する情報

人気記事

新着記事