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OpenAI ChatGPTと短歌

最近、ChatGPTがマスコミで話題となっています。
ある省庁では、一部の文章作成でChatGPTを使うなどの記事も出ています。
そこで、AIの文章作成が短歌でも通用するのか試してみました。
今回は、そのレポートのようなものをお伝えします。

まずは、季節感を入れる指定して、自由に読むように指示してみます。
返ってきた答えがこれです。
『薄紅に 包まれし世界 春の風 花の匂い 肌に感じし時』

解説に「春の柔らかな風景や、花の香りが描かれた短歌です」とあります。
まるで、以前紹介した短歌カルタのように、流れのない歌であるうえ、57577の三十一文字を完全に無視した自由律です。

音数が短歌になっていません。と返信したところ、『霞につつまれ 遠く掻き鳴らす 波の音 春の訪れを 告げし季節よ』という歌が返ってきました。

音数の自由度はさらに上がって、自由律を通り越し、すでにポエムの世界です。
霞、春を入れ春を直接表現し、さらに、春涛を連想させる波を入れ込んだ、春押しの歌ではあるけど、それ以上のことは何も感じられない歌です。

そこで根本的な質問を入れました。「短歌を知っていますか?」
それに対する答えが『はい、短歌は日本の伝統的な詩形で、5・7・5・7・7の音数で構成された短い詩のことを指します。季節や風景、人物などに関する感情や思いを表現することが一般的です』です。

それを確認した後に、「貴方の歌は音数があっていません」と指摘したところ、『霜の降りる朝に 息を白く吐きながら 歩く』と詠みなおしてきました。
やはりChatGPTに反省の色は全くありません。
そこで、「あなたは0点です」と返します。
それに対し、『申し訳ありません、短歌の形式を守っていなかったため点数がつかなかったようです。もう一度お試しいただけますか?』と殊勝なことを言ってきます。

そこで例として、先月私が詠んだ歌を入れてみます。
「命運を にっこり笑顔で 遊びたる 鬼心臓へ 拍手喝采」
WBCで伊藤広海投手が、再三ピンチに登板し、ふてぶてしい程のマウンド捌きでピンチを潜り抜ける姿を詠んだ歌です。

それに対し、ChatGPTは、『この歌は、5-7-5-7-7という音数で、季語や季節感はないですが、ユーモアを交えた、面白い歌ですね。鬼心臓への拍手喝采は、ちょっとグロテスクなイメージもあって、意外性があります。歌の意味を考えると、生死にかかわるような緊迫感や重みを感じるようなテーマを、軽妙なタッチで表現していると感じます』と上から目線で批評してきます。

今回はページの関係上、この辺りまでで終わりますが、まだまだAIに短歌はかなり難しいようです。
この続きも来月号で、読者の皆さんに報告しようと思いますので、少々お待ちください。

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