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猫多川賞受賞作家マタタビニャンキチ先生物語~新興宗教お笑い教―黙示録の使徒たち―~(後編)

2019年09月16日

上九錦蛇村から津山市へ戻り、小生は津山市商店街にある晴れの国岡山特産の生搾りフルーツカクテルが美味しいと評判のBar RUSH(ラッシュ)でバーテンダーのいくちゃんがつくる、映画「ユー・ガット・メール」でも登場したシェイクするマティーニである。

ヴェスパー・マティーニを嗜みながらリトルシガーのブラック・ストーンのチェリーを薫らしていた。
ジンはニャンキチの大好きなボンベイ・サファイア。
ウォッカはあの火が引火するので有名なスピリタスで、いくちゃんにオーダーした。

そして、ニャンキチが微酔いになってきた頃、隣に座っている涼華さんにこう呟いた――

『「お笑い」ってつけるだけで、この世界はなんて平和なのだろう?』
「「お笑い」は最後につけても面白い言葉遊びよ」

マルガリータを嗜みながら涼華さんは答えた。

小生はちょっと考えた後に、涼華さんのトリッキーなセリフに、「終わらないお笑い」とニャンキチは涼華さんに呟いて笑いをグッと噛みしめた――


***


翌朝、東京の香成君からニャンキチの携帯電話に電話があった。

「今、東京の地下鉄でテロに巻き込まれそうだったんです!!」
香成君は大学に通学途中の地下鉄千代田線の霞ヶ関を通過する直前に、「ただいま、テロが発生しましたのでそのまま霞ヶ関を通過します!」という車内アナウンスが流れて無事、テロを逃れたのだった。

1本先の電車に乗っていたら危ないところだった。
なんとか、香成君は無事のようだ。
小生はビックリした。


この話は、今まで、純文学ばかりを執筆していたマタタビニャンキチが初めて、長編ハードボイルド小説「黙示録の使徒たち」を執筆出版する少し前の御話である――

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参考カクテルレシピ

ヴェスパー・マティーニ
 ドライ・ジン = 90ml
 ウォッカ = 30ml
 キナ・リレ (リレ・ブラン) = 15ml
 シェークして、カクテル・グラスに注ぎます。
 レモンの果皮をかざります。


マルガリータ
 テキーラ30ml
 ホワイト・キュラソー15ml
 レモン・ジュース15ml

シェークして、塩でスノー・スタイルにしたカクテル・グラスに注ぎます。


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