いきなり私ごとから入って申し訳ないのだが、昨夜寝れなかった。
10時には布団に入ったのだが、3時頃まで「いんぐりもんぐり」したあげくリビングで明け方まで過ごした。そんな朝は朝食も食べられず、一日がとても長く疲れる。
ふとんはとても大切
真庭市中島の「ふとんのとみなが」では質のよい眠りを提案している。
睡眠に関心が高まったの今に始まったことではなく、一時代前に綿のふとんが主流だった時代に、ぺったんこにになり、硬く冷たい感触になった綿を打ち直してふっくらとした寝心地を求めた時代もあった。
富永さんのおばあ様は、昭和初期に布団の打ち直しをしていたという。
ものを大切にしていたことはもちろんだが、快適な眠りを求める事は今昔を問わず大切なことだったに違いない。
祖母の世代からふとんに関わってきた富永さんは「今でも綿のふとんの重さや羽毛ふとんにはない寝たときの感触が、好きだという方もおられますよ。
いずれ綿ふとんは絶えていくでしょうが求められるお客さんがおられる限り、打ち直しや販売などもしたいと思います」。
綿ふとんの需要は思いがけないところにもある。
「保育園のお昼寝ふとんに綿ふとんを選んでくれることに驚きもあります。幅が狭いことや薄くて、吸水性が良いのも魅力になっているのかもしれませんね」。
だんだん羽毛や化学的な素材に移り変わっているというが、素材が変わっても「コストより品質」と胸を張る。
健康志向の若者が増えた
2017年に新語・流行語大賞に選ばれた「睡眠負債」それは、睡眠不足が借金のように積み重なって体調や気力などに不調をきたすこと、とても深刻で医療機関を受診することも多いということが明らかになった。
そこで人々はよい眠りを求めるため寝具に注目が高まった。ストレスの多い社会で、せめて寝るときくらいは・・・と睡眠への欲望が増えていったと思われる。
「子どもや若い人はどんなことがあっても結構眠れるんです、50代頃から眠れない悩みを抱えている人も多いです。
それに加え面白いことに30代男性の睡眠に対する思いが強いことも感じています」と富永さん。
マイカーに興味がなくなっているのも、また喫煙者も少ないのが30代男性の特徴で、健康志向が強い傾向が見られる。
そういえば、ジョギングなどに励んでいる若者もよく見かける光景だ。社会情勢が眠りに見える事にも驚きだ。
娘・千津さんを後継者に
「お店を娘世代に継ごうと思っている」。
都会にいっていた長女の千津さんが7年前に地元に帰った。
何事にも真面目に取り組む娘さんに次世代を任される決意をした富永さん。
「自分で心がけて、極力口を出さないようにしている」富永さんご夫婦の販売や接客のノウハウを見てきた娘さんには「ふとん店」として生き残る一つの方策としてネット販売も視野に入っている。
ただネット販売や大手出店やホームセンター、デパートでの販売にない、地元のふとん店の良さは伝えていこうと思っている。
「販売のスタイルを変えていくことは必至ですが、店舗で見て、体感していただき、相談にのらせていただくことは変えてはいけないもの、そのことは十分に伝えていこうと思いますし、従業員共々、娘も育っていかなくてはと思う」と笑顔だ。
店舗では寝具のほか、座布団、インテリア用品など質のよいものをそろえている。
何でも相談してみましょう
ふとんの持ちをよくするにはどうすればいいのかと聞いて見た。
ふとんを干して叩いて! の爽快感? は私にはあるけれど。
お日様の匂いがするふとんの匂いを嗅いでみたこともあるけれど、それは全部×! 羽毛ふとんは優しく空気を入れてあげて陰干しするのが正解。
折も折。
立ち寄ったファミリーレストランで、60~70代の女性のグループの待ち合わせに出くわした。
座るやいなや「最近寝れんのんよー」「疲れが取れんのんよ~」と口々に言っていた。
皆同じ、寝ることに幸せ感を感じたいのだ、人生の三分の一を占める睡眠。
大切にしようと心から思った。
富永さんの言われた「いいものを」の言葉は、「人生の三分の一の幸せを提案する」と、言い換えて良いだろう。
笑顔の素敵な富永さん、眠ることの大切さを教えてくださってありがとうございました。
そして世代交代したら少し体を休めてくださいね。いっぱい良い眠りをして・・・
真庭市中島408
電話 0867-42-0322