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【健康】高血圧を知ろう

高血圧とは

病院や健診施設などで測定した血圧値が、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上(140/90mmHg以上)の状態をいいます。
自宅で測定する場合では機器の関係もあり、それより低い135mmHg以上または85mmHg以上(135/85mmHg以上)が高血圧とされています。
ですが年齢やその他の病気などによっても基準数値が変わってきますので医師の診断を受けましょう。

高血圧の方は、治療と同時に食事や生活習慣の見直しが必要となります。
高血圧の状態が続くと、動脈硬化を促進し、さまざまな病気を引き起こす可能性が高なるため、早期に対策を行う必要があります。

特に高血圧がもたらす病気で代表的なのが脳卒中です。
脳卒中はいくつかの種類があり血管が詰まるものを脳梗塞、血管が破れつるものを脳出血、膜下出血と言います。
さらに脳梗塞は、その現象によって脳血栓、脳塞栓症、一過性脳虚血発作に細分化されます。

手足のしびれや麻痺(力がはいらない)、言語障害などの神経の症状が突然に起こった時は、脳卒中を疑います。

脳卒中は年々増え続けがん、心臓病に次いで日本における死因の第3位となっており毎年25万人以上が新たに発症し現在は約150万人を超えたと言われています。
また「寝たきりになる原因」の3割近くが脳卒中、脳梗塞などの脳血管疾患です。
高齢化社会の到来や、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の増加もあり、脳卒中の発症者は2020年には300万人を超えるのではないかとの予想もあります。



他に高血圧症が引き起こす病気では心筋梗塞、狭心症などもあります。

心筋梗塞の症状は、数十分から数時間の間、心臓のあたりを中心に特に強い圧迫感や激痛を伴い、稀に首から肩や背中まで痛みを感じることがあります。
その際に冷や汗や吐き気をともなう場合もあります。

心筋梗塞の現象としては冠動脈の血流がほとんど止まり酸素がなくなることによって心筋の一部が死滅した状態のことをいいます。
現在では治療技術が進んだこともあり、発症後6時間以内にカテーテル治療を受れれば、死亡率を大きく抑えることが可能になっています。

狭心症の症状は、数分から十数分程度、胸が圧迫されるような苦しみや痛みを感じます。場合により、あごや耳に痛みを感じることもあります。

狭心症の現象としては冠動脈の血流が悪くなり心臓が一時的に酸素が不足した状態です。
治療は安静にすると同時に、ニトログリセリンなどの薬で発作を抑えるようにします。



このように高血圧症が引き起こす病気は命にかかわる重大な病気が多く、健康で長生きをするためには、日常生活や食生活の改善による予防が重要になります。






高血圧症の予防について

高血圧は、「一次性高血圧」と「二次性高血圧」に分けられます。
一次性高血圧は、明確な異常がない状態での血圧上昇が見られるものをいいます。
一時性高血圧の場合は食塩のとりすぎ、過労、ストレス、肥満、運動不足、血管の老化、遺伝的要因などが原因であることが分かっています。
このように、環境要因が加わることによって発症するため、高血圧は「生活習慣病」とも呼ばれています。

一方、二次性高血圧は、腎臓病や内分泌器官、中枢神経、血管、ホルモン異常など、他に原因となる病気がはっきりしているものを言います。
この場合は、原因となる病気が治ると、高血圧の症状も改善します。

国際的に見て日本人は、高血圧になる要因の1つである塩分を過剰に摂取する傾向にあります。

日本人の1日あたりの塩分摂取量は、12g前後といわれています。
対して欧米では8g前後と欧米との異本では塩分の摂取量に大きな開きがあります。
WHO(世界保健機関)が健康の目安として提唱する塩分量は1日6gですので、約倍の量を摂取していることが分かります。
日本人の塩分摂取量が多い原因としては、味噌や醤油などの日本伝統の調味料や梅干しや漬け物など日本食に塩分が高い料理が多いことなどが原因であるといわれれています。



高血圧症を予防するには

高血圧を予防するためには生活習慣の改善が大切です。
さらに高血圧を発症した場合には、投薬治療と同時に、さらなる生活習慣の改善が重要になります。
生活習慣の改善の中でも食事と運動が特に重要になります。

以下に食事療法の代表的なモノを挙げます。

塩分を摂りすぎない
塩分が過剰になると血管内の壁にナトリウムが蓄積し、細胞は水分を含んで膨れ上がり、血管の壁が厚くなります。
すると血管内部が狭くなり血量を確保するために血圧を上げるようになり、それが高血圧症につながります。
但し、塩分不足がは目まいやふらつき食欲減退などの症状が起こり、循環不全など体に重大な不調をきたします。

摂取カロリーを抑える
過剰なカロリー摂取により肥満が進むと、脂肪細胞にレプチン(肥満細胞に由来する代表的なホルモン)というホルモンが蓄積され、血圧を上げる作用をします。

脂肪を控える
内臓脂肪が増えると高血圧になりやすくなります。
これは、内臓脂肪はホルモン同様に体内の調節機能を左右する働きを持っており、内臓脂肪が過剰に蓄積されると、血圧および血糖値を上昇させるためのホルモンを分泌するためです。

飲酒は控えめにする
アルコールの飲み過ぎは中性脂肪を増加させ内臓脂肪が蓄積していきます。内臓脂肪が蓄積されると先にも書いたように血糖値を上昇させるホルモンを分泌します。

タンパク質を多く含む食べ物をとる

タンパク質は一見コレステロール値が上がり高血圧を引き起こす要因に見えますが、実は体内への塩分過剰吸収を防ぐ働きがあります。
高タンパク食はナトリウムの排出が素早く、高血圧を防ぐ働きがあります。
同じタンパク質でも
タンパク質摂取が食塩の過剰摂取を防ぎ、高血圧を予防します。
メチオニン、タウリンなどの含硫アミノ酸は、血圧降下作用があり、内臓や魚など動物性タンパク質に含まれるています。

カリウムを含む食べ物をとる
タンパク質と同じように塩分を体外に排出するのを助ける働きがあります。
血中カリウムが上昇すると腎臓は塩分とカリウムを排泄すします。
バナナ、ほうれん草、アボカド、パセリなどに多く含んでいます。

植物性栄養成分を含む食べ物をとる
食物繊維には、多様な作用がありコレステロールを体外に排泄する作用があります。

(ライティング:上総 北辰)

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