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猫多川賞受賞作家マタタビニャンキチ先生物語~ミックスフルーツのジェラート(前編)

2019年08月25日

小生、猫多川賞受賞作家マタタビニャンキチが猫多川賞を受賞する遙か昔に大阪に住んでいた頃のお話である。
小生は、猫多川賞へ応募する小説を「ガリガリ」と執筆するべく、ここ大阪府立中之島図書館のカウンターで、資料になる書籍を5冊もリクエストした。

恐らく20代前半の図書館司書の中野明子さんは急にパソコンの検索エンジンをしばし訝しげに見つめた後、
突如、席を立ち奥へ小急ぎに「ササっと」走っていった――
「今、その本、私が借りていたところなんです」

戻ってきた中野明子さんは、ひすいこたろうさんの「ものの見方検定」をもっていた。
「どうぞ」と明子さんその本を含めた5冊を小生に手渡した。
「いいんですか?」小生は明子さんにたずねた。
「はい、かまいません」明子さんは少しはにかみながら答えた――


数日後、小生は明子さんとたまたま、大阪ミナミの高層ビルの最上階にある、「DANCING AMAZING(ダンシング アメージング)」という、熱々のシーフードを手づかみで食べるケイジャン料理のお店で、たまたま再会した。

彼女のいないニャンキチにとってこれほどの僥倖はない。

ニャンキチの心臓は中田ヤスタカの「Liar Game」とほぼ同じリズムで「ドクン、ドクン」と鼓動をはじめた
お互いに美味しいカクテルに酔っていたこともあり、ひすいこたろうさんや小池浩さんなどの様々な書籍の話題で盛り上がり意気投合した――

小生と明子さんが偶然、帰り道が同じ方向だったということもあり、
2人はお店のビルのフロントからタクシーに同乗した。
アキコさんは「フラフラ」と酔っ払っいながら帰りのタクシーに乗車して、その中で、明子さんは小生にこう言った。

「どうしても!!今すぐ!!ミックスフルーツのジェラートが食べたいの!!!」
まったく女性というのはどうしてこうロクでもない時間にロクでもないことを言うのだろう?
タクシーの運転手さんは少し怪訝な表情を浮かべていた……

ニャンキチは、
「今すぐ、ミックスフルーツのジェラートの食べられるところがあったら、そこへお願いします」と如何にも体育会系のがっしりとした体つきの少し強面(こわもて)だが、根は親切で優しそうなタクシーの運転手さんに頼み込んだ。
タクシーのネームプレートには「西谷章弘」と書かれていた。

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