練習を重ねて
春のさくらまつり、秋の津山まつりにあでやかな花を添えるのが「民謡と踊り 津山情緒保存会」だ。
赤や黄色、縞模様や梅の紋様。
各連の衣装はさまざま。現在9連約120人が踊る。小学生から高齢者まで「編み笠」を目深にかぶり踊る姿は妖艶かつ整然としている。
津山情緒保存会(故大桑修氏と今村正照会長ほか)は、平成14年、古くから伝わる民謡と踊りを広く津山市民に親しんでもらうとともに、後世に伝えることを目的に、流派を超え、各種団体が踊りの師範の協力をもとに結成された。
同市山北の津山総合体育館で行われた、津山まつりに向けた練習では50人を超える人たちが「津山民謡」「津山情緒」「津山流し」などの練習に励んだ。
皆真剣ながらわきあいあいと輪を作り先生方の指導を受けていた。
あでやかに市民の目を引く
秋の津山まつり本番では、女性ばかりの踊り連の中で男性は提灯を掲げるなどの裏方に徹していた。
本町三丁目から4方向に向け登場、市街地を南北に通る奴通りで踊りを披露したのちに、ソシオ一番街での踊りに見物客らの目はくぎ付けとなり、伝統の踊りを目の当たりにした。
津山商業高校OBで結成された自彊連の同市内在住、坂手紀子さんは、「踊りをはじめて6年になる、先輩や後輩と一緒に頑張って続けていきたい。
今日の踊りは自分なりに良い出来だった」と笑顔だった。見物していた同市内南新座の59歳男性は「ずっと残してほしい祭りの華だと思う。これぞ津山という感じ」と熱く語ってくれた。
慣れ親しんだ踊りを次世代に
読者の方々の中には、小中学校時代に「つやあまあ~じょうかまち~」という音楽に合わせて体育の時間に踊りを習った方がいるのではないだろうか。
今その「津山民謡」が市内在住のミュージシャン・藤島大輔さんの透き通ったボーカルによって古いながらも新しい風を吹かせている。
春・津山城での踊りを楽しみに
さあ、寒い冬が終われば津山に春が来る。
桜が咲く。
津山情緒保存会の皆さんの華麗な踊りにまた会えることを期待して津山城(鶴山公園)に登城するのを楽しみにするとしよう。