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ザ・シロヤマテラス津山別邸に美作の大地・季節の移ろいを表現した

美術家・居森幸子さん

新ホテルオープンに伴って

新しい津山のランドマークとなる「ザ・シロヤマテラス津山別邸」が2月27日、津山市中心街にオープンした
津山市街地を南北に貫通する鶴山通りに、宿泊はもちろん、地産ダイニングやショップ。コンベンションホールやバンケットなど会議、パーティーの場、津山温泉「城見スパ」もあり、ドッグフレンドリーフロアで愛犬と宿泊もできるという岡山県北では最新の館内設備。
最上階(9階)のスパリビング&テラスからは津山城(鶴山公園)を間近に見る事ができる。
思わず感嘆の声が出てしまうほど備中櫓が目の前にあるし、津山城址の石垣の力強さも感じられる。
絶景だ!
「ザ・シロヤマテラス津山別邸」1階フロントを抜け北側庭園の見える「ガーデンラウンジ」の雰囲気にとけこんだ立体絵画がある。
縦約70センチ、横4メートル50センチの生成り色を基調とした作品は、オープンカウンターの後ろにあり「手漉き越前麻紙の手触りや柔和な美しさを引きだせたら」と作者の居森幸子さん(勝央町)は笑顔で話す。




木下さんの誠意にお応えしたくて


同ホテルから絵画制作の依頼を受けたのは昨年10月の初め頃「夢のような話で、まさかという感じでお話を聞いた」居森さんは子どものような笑顔で話す。
その後東京のデザイン会社やホテル関係者がアトリエに来られ、なによりも真摯に岡山県北の事を勉強し、津山が大好きだと言われたホテルニューアワジグループの代表取締役社長・木下学さんとゆっくりお話しして木下さんの誠意に心打たれたという居森さんは、母の思い出の着物を着てグランドオープンの日を迎えた。



「白景」は景色になった

「美作の大地や中国山地の季節の移ろいをあらわした抽象的なもの。
カフェテラスで旅愁を感じられ、ほっこり休んでいってほしいと思います。
さり気なく置かせていただけたら嬉しいです」居森さんは作品に使っている麻紙には、「絵を描いてしまうと和紙が眠ってしまう感じがした、本来の美しさが消えるのがもったいないと思ったので、紙にお化粧を施すように毛羽立たせたり、古文書の一部を切って使ったり、こよりにしたり」と上品さと繊細な技法で思いを込めた。
立体絵画は「白景」と名付けられガーデンラウンジの景色になった。



絵画教室ではその人に合った指導を

居森さんが講師をしている教室は月に2回。
「楽しんで日本画」では基本から個々の好みや得意なところを伸ばして指導している。
教室には「絵が苦手だったが挑戦してみた」という人も気軽に行く事のできる雰囲気だ。
それぞれ色紙やスケッチブック、画用紙と好きなものに好きなように書いているのかと思えるが、実は居森さん、その作品を観賞してくれる人のことも推し量って、絵画の中に込める思いを伝えている。
 教室生の一人は「先生の芸術家としての多様性のすばらしさに驚くことが多い、絵の具を重ねる事の化学変化まで教えてくれるのでとても楽しい」と話してくれた。
教室では「あゆみ会となかまたち展」を津山市新魚町のアルネ津山4階の文化展示ホールで計画している。
約80点展示で、8月に行う予定。




おだやかなお人柄を感じる


居森幸子さん、決してえらぶったりせず、前に出ようともしない。
そういう方は自分の気持ちよりも先に、周りの人が魅力に気付き、称賛するのだ。私は芸術も美術も深くは知らない。ただ居森さんの笑顔から出るおだやかさや豊かな感性は感じる、少し高い声で自分の思いをお話してくださる居森さんはとても可愛らしい。




「ザ・シロヤマテラス津山別邸」ガーデンラウンジでお茶を飲むのが楽しみになって来た。
木の感触と、ピンクを基調にした座り心地のよさそうな椅子。
ガーデンの景色と共に「白景」がある。
きっと、そこはなにもじゃまにならない落ち着き、やすらぐ空間になることだろう。

(取材ライティング・武本明波)

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